子どもが小学校に入ると、必ずつきまとうPTAという存在。 子どものためと分かってはいても、何かと面倒な事が多く、できればあまり深入りしたくないというのが多くの母親たちの正直な声でしょう。父親に至っては、PTAなんて母親たちが集まった怖い集団でしょうと逃げ腰になるケースがほとんどですよね。
うまく付き合えばそんなに怖くもなければ大変でもないのに、結局どこにでもある人間関係の問題で愚痴も出れば不満も出ます。トラブルがこじれる光景はあちこちで見ます。 けれど、人によってはPTA活動を楽しんだよという人もいれば、良い仲間と巡り合えたという人もいます。
できれば、自分もそんな風にうまく立ち回れたら良いのにと思いませんか? 少し考え方を変えるだけで、PTAが怖くなくなる方法をお教えします。
役員決めの時に、積極的な母親がいるクラスもたまにはあるでしょうが、ほとんどが役員をしなくてすむのなら・・・と様子を伺っています。
その中で、最初から手を挙げれば悪目立ちしますが、誰もやる人がいなくて空気が重たくなり、司会の人が困っているときに、まずどのような仕事なのかを聞いてみます。聞いたうえで、どうしても無理でなければ、そこで「私にできるか分かりませんけど・・・」と言ってみると、まず司会の人は喜んでくれます。
そして、その時に必ず、「何も分からないので助けてください」と周りの人に言っておけば、そのあと頼み事がしやすくなります。司会の人や、役員をしなくて済んだ他の人たちの中から協力してくれる味方を捕まえておきましょう。
PTAは素人の集まりです。学歴、職歴が様々で、生活環境もそれぞれに違う人たちが集まるので、その中で仕事をするとなれば、意識の違いも出てきますし、価値観が一致するなんて夢のまた夢です。
仕事を割り振りするときに驚くのは、子どもたちの方がフットワークも軽く仕事もできるのではないかというくらい、非役員の方たちは適当にしか仕事をしません。
何かを任せても、失敗するのが当たり前くらいの気持ちでいること。確認してやり直しができる余裕を持っておけば、走り回る必要はなくなります。ただし、失敗の尻拭いが嫌だからと、全部自分でやってしまうと自分が大変だし、周りからも便利屋扱いをされて、PTAの醍醐味である人とのつながりが生まれることなく終わるので要注意です。
重要なのは、PTAの作業を通じて、保護者同士が沢山コミュニケーションを取ることであって、仕事の質は二の次であることを覚えておくことです。PTAにプロ並みの仕事は求められていないのです。
困ったことがあったら、別の役員さんと相談することです。役員になる人は、それぞれ何か思うところがあって引き受けているので、話してみると考えが合う人もいるでしょう。たまに、嫌々仕方なく押し付けられた人が仕事をせずにトラブルになりますが、そういう人は執行部が対応してくれるはずです。
役員の悩みは役員同士で分かち合うことで、協力体制が整います。経験豊富な先輩方が様々なアドバイスをしてくれるでしょう。
また、自治体や学校にもよりますが、役員向けにリーダー研修などがあり、目からうろこな、ありがたいお話を聞けるチャンスもあります。役員という立場が、新しい分野で自分磨きができる機会になることもあるのです。
何はともあれ、自分の生活の一部をPTAに費やす覚悟で引き受けた人には、「人のために」という考えで自分を高めることにも意欲的だったりするので、学ぶものが沢山ある素敵なお母さんと出会うこともきっとあるでしょう。
中には、驚くほど年の離れた兄弟の保護者で、一通り子育てを経験した方もいます。そんな人と知り合えば、これからわが子に襲いかかる受験や成長に関係する諸問題などその後の悩みを相談できるわけです。紹介制の人気塾など、ひょんな所でコネクションができることもあります。
ただ、そういう利点ばかり期待して、人を選んで付き合おうとすれば当然嫌われますからご用心。あくまでも、しっかり役員として頑張って、誰とでもまんべんなく付き合えて、信頼を得たところに、ふっとご褒美のように湧いてくるお話もありますよ・・・ということです。
小学校のPTAでの居方を中心に考えましたが、とどのつまり、学校以外の社会全般でも、大切なことは、そこで出会う人とまっすぐ正直に付き合えるかどうかという事だと思います。
ただ、金銭的な利害関係で繋がっていない分、人となりがありのままに出やすいのがPTAという世界ではないでしょうか。少々独特な世界ですが、PTAだからと敬遠せずに、飛び込んで何かを得る機会をぜひ掴み取ってみてください。