感情は人が生きていくために、自分の存在を社会化する(人と関わり・関わられる)ために備わっています。
泣いたり・笑ったり・驚いたり・興味を示すという形で表現する様々な感情は、個人的なもののように思えますが、実は社会的なものであるといえます。
そのため、自分の感情を他の人にぶつけ、その人から返ってくる反応を見ながら、自分の感情の出し方を学んでいく過程が大切になります。つまり、子どもが上手に自分の感情とつきあえるようになるためには、周りの大人の関わり方がとても大切なのです。
無表情・無感動な子どもは控えめに感情を抑制することを親の表情から学んでいるのかもしれません。
いつも高性能のアンテナで親や教師の言うことに敏感で、ストレスを蓄積し挫折してしまいがちです。
⇒「頑張らなくてもいい環境」を作りましょう。周りの大人がその子どもへの要求水準を下げることが必要でしょう。
その子どもはたくさんのストレスのなかにいるので、心の緊張をゆるめる関わりをもっていくことが必要です。「やっていること自体、そのものが楽しいというような体験」を一緒に見つけていくことで子どもの心の緊張をときほぐすことがよくあります。
頑張りすぎず、ほどほどの体験の積み重ねが大事です。
感情の変化を外にはあまり見せず、喜怒哀楽の感情を人に伝えることが苦手になってしまいます。
⇒本音で語り、本音を引き出しましょう。
喜怒哀楽の感情を人に伝えることが苦手だったり、感情の変化を外にはあまり見せない子どもです。学校では作文がなかなか書けなかったり、想像の絵が苦手です。
幼少の頃から、その子どもにとって、忙しすぎるおかあさん、厳しすぎるお父さんだと、主たる養育者に対して気を遣いすぎてしまっていたり、感情を表に出さないことによって自分の心の安定を保ち続けてきた子どもによくみられます。
まずは、少しでもいいので、ゆったりとした親子2人だけの時間を作る努力をしてみてください。
他者に依存的で、自分で自分の行動を決められず、判断するべき場面で立ち止まってしまいます。
⇒「子どものペース」をとことん尊重しましょう。
休み時間に友だちの輪の中に入っているけれど、いなくなっても気づかれないような子です。学校や町内の行事など、自分で判断して動かなければならない場面では、「決められなさ」の迷路に入り込み、ストレスが高まってしまいます。
このような「決められない」「決めにくい」子には、先に「答え」を出したり、「結論」を急がせないで、子どもの「迷いについていく」ことも必要です。
ただし、いつまでも待つことはできませんから、「○分まで一緒に考えてみようか」というように目標を定めるほうが、互いに楽なことが多いです。つきあっているうちに、子どもはだんだんと自分で決め、自分で判断していくようになります。
周りの人は、いつも自分にイヤなことばかりをすると思い込み、敵対心をあらわにするようになります。
⇒頭ごなしに否定しないで、一緒に「周りの気持ち」を考えましょう。
子どもの心は、いつも握り拳を固めて誰かにぶつける準備を整えている状態ですから、すれ違っただけでも、怒りが伝わってきそうです。
心は、怒りと猜疑心で満ち満ちているのです。 こういった子には、大人の理屈で感情を押さえつけたり、叱るだけでは逆効果になってしまいます。
子どもの心の雪解けができるように子どもの気持ちを否定しないこと、また周りの子どもの気持ちや、周りの状況に目を向けさせるような関わりを、日常的に行う必要があります。