自分の口ぐせにはなかなか気がつかないものですが、私たちは同じ言葉を、何度も何度も繰り返し口にしています。
もし子どもに対してかけている言葉に「くせ」があったら何が起こるでしょうか。
繰り返し繰り返し同じ言葉を刷り込まれた子どもは、その言葉が良いものでも悪いものでも、その言葉を信じ込み、自分の人生で実現するようになります。
親にできることは、まず、自分の口ぐせに気づくことです。それができれば、新しい習慣を身につけることが難しくありません。子どもにかけたくない言葉をやめ、かけてあげたい言葉を繰り返し口に出せば、それが新しい「くせ」となります。
「不器用なんだから」という言葉を繰り返しかけることで、子どもは、自分は不器用なのだと思い込むようになります。
こういった人は結構多く、そのまま大人になることも少なくありません。子どもに対するマイナスの評価を口ぐせにするのは、大変危険です。
また、子どものテンポを無視して、早く早くとせかすことは、子どもの反抗心をあおり、イライラを増幅させるだけでなく、子どもに「私は親に理解されていない」という気持ちを抱かせる危険があります。
子どもがイライラしているときほど、口角を上げにっこりと穏やかに見守りましょう。共感されることで、子どもは自分のイライラを受け止められるようになります。
子どもは失敗しようと思って失敗しているわけではありません。自分の失敗にショックを受けているような時、親が追い打ちをかけると、子どもは親が自分の味方にはなってくれないと感じるようになります。
小さな失敗を見つけた時は、子どもに「親が味方であること」を伝え、「どのようにして問題を解決するか」を教えるチャンス。動揺せずに受け止め、失敗して悔しい気持ちに寄り添ってから、「じゃあ、どうしよう?」と語りかけ、「自分でできる」というところに導いていきましょう。
そうすれが失敗を恐れず、失敗から新しいことを学べるようになります。
子どもが何かを買ってほしいと駄々をこねる時、心の中には「そうすれば思い通りになる」というわがままもありますが、同時に「そうしたいという気持ちをわかってほしい」という甘えもあります。
大好きな親に甘えているのに「うちの子ではない」「黙りなさい」など、自分の存在を否定するようなことを言われると、子どもはひどく傷つきます。
こんな時は、「ほしい」気持ちを笑顔で受け止め、かつ、「今は買わない」とはっきり述べる必要があります。そうすることで、「あなたの気持ちはよくわかる」と「うちでは、特別なプレゼントは、特別な時にしかしません」の両方を伝えられます。
子どもが何かを頼んできたとき、あと回し自体は仕方のないことですが、「あとで」と言って実行しなければ、子どもは「あとで」を都合のいい呪文だと理解し、やがてまねをします。
今できない理由、具体的にいつになるかを伝え、約束を守りましょう。 「10分待ってね」と言ってもいいのですが、3歳ぐらいまでであればまだ時間がわかりませんから、「○○が終わったら」などと伝えることもできます。
この時ほんの一瞬でも、子どもに視線を合わせて話すことです。気持ちがよく伝わります。
「テーブルをふいてね。」など簡単なお手伝いをお願いすることで、子どもは退屈や寂しさを感じずに、待つことができます。そうすれば子どもは先のことを考え、納得して行動できるようになります。