子育てをしていると、さまざまな悩みがつきまといます。 その中でも思春期の反抗期は親を悩ませるもののひとつです。
小学生の頃は、あんなに可愛かったのに中学生になった途端「うるさい」と親にイライラしたり、話をしても無視したり・・・。
多くの子供は中学生や高校生の時期に、こうした反抗期を迎えることになります。 人によって、その程度はさまざまで、親に対して文句を言う程度の子供もいれば、外でやんちゃな行動を起こす子供まで多彩ですね。
そんな反抗期ですが、実はあった方がいいことも分かっています。
反抗期というのは親に自分の意見を言う行動ですよね。 親の意見と自分の意見が食い違った時に「自分はこうしたいんだ」ということを主張する訳です。 親がそれに対して「どうして?」というと、さらに反抗したくなる訳です。
反抗期は、自分の意見を正直に話す大事な場であるとも言えます。 ただし、反抗期の状態によっては、自分の意見を話さず、無言を貫きとおす子供もいるでしょう。
反抗期がもたらすものは、家庭内の不和とも言えます。 今まで、仲良く暮らしていた家庭が一気に暗くなります。 親は「自分の育て方の何がいけなかったのか?」「どうしてこんなことになったのか?」と自分を責めてしまうことが多くなるでしょう。
しかし、こういった家族の不和をもたらしたくない子供が増えているのが現状です。 自分が親に意見を言うことで家族の仲が壊れてしまうのはイヤだと考えているのです。 つまり、平和主義ということになります。
しかし、この平和主義は聞こえはいいですが、裏を返せば「自分の気持ちを抑える」ということなのです。 人とぶつかりあうのがイヤな子供に反抗期がない子供が多いのかもしれませんね。
親に対して反抗しないのは、親に対して不満がないということもあるでしょう。 しかし、実は「反抗期がない=親に不満がない」というイコール式が全ての親子に当てはまるわけではありません。
親に自分の気持ちを言えない子供が多くなっているのです。
そうすると、世間でよく言う「親が決めた人生のレールを歩く」ということにも当てはまります。 自分がしたいことがあっても「どうせ親に言っても無駄だ」とか、「言うと怒られてしまう」ということで反抗できません。 このまま、大人になっても、親の言うことに反抗しなかったり、自分の気持ちをストレートに言うこともできません。
つまり本音を言い合う場所がないまま大人になってしまうのです。
子供は中学生くらいになると自我が芽生えてきます。 今までは親の言うことが一番と思って生きてきたのですが、色んな世界を知ることになります。 そこで「違うのではないか?」と疑問に思うことが増えてくるのです。
それを親にぶつけたり、イライラするのが反抗期なのです。
反抗期はずっとある訳ではありません。 いずれ、おさまります。 おさまったときには、親に自分の気持ちを言えたこと、親が自分を叱ってくれたこと、親が自分と正面からぶつかり合ってくれたことを振り返り、それを糧に将来の自分をつくりあげていくのです。
反抗期がなくても親に自分の気持ちを伝えて親がきちんと聞いてくれた場合は、それはそれで問題はないでしょう。 子供が何かを相談してきたら、真っ向から否定するのではなく、きちんと子供の話を聞く、そしてある程度見守り、本当に心配なことには、とことん話合うという姿勢を見せることで子供の心には通じるものがあります。 反抗期があった時には、ただうろたえるのではなく、こういった姿勢も大事です。
子供の自立のためには、親の押し付けの子育てではなく、子供とともに意見を言い合ってお互いに成長してくことなのではないでしょうか。