親と子の関係性でよく言われることは「親は子どもにどこまでの事をしてあげれば良いのか」という問題です。
この問題は文化の違いこそあれ、いずれの国でも親たちの悩むところであると思われます。
また現代の子育ては、親が子どもにできるだけのことをしてあげるべきだと思っている方が多く、これを親の子どもに寄せる「愛情の深さ」と捉えているようですが、しかしまた一方で何事も先取りしてしまうことから、子どもが自分でできることを奪ってしまう場合があります。
そうすると子どもはいつも親に監視され、親の目が行き届く安全な場所に置いておかれることになります。
親の充分な愛情が注がれることと、子どもが自由に動き回り、遊びまわることを通して創造力が発達し、更に思考力も増し、やがては親から離れて自立することとの関係性は表裏一体なのです。
過度の愛情と子どもの創造力の発達の関係は、リスクを伴っているともいえるのです。それが「いつまで」「どれくらい」と悩むことになっているのです。
親と子との一体感のある関係が持続すると、親は子どもの心まで奪ってしまうことがあります。また、子どもが声を発する前に親が代弁することも多くなります。すると子どもの感情の発達や創造力や言葉までそぐことになり兼ねません。
現代育児では、親の言葉掛けが奨励されています。
これに関しても、「言葉掛け」が多すぎる親が、言葉のおぼつかない幼児に対して、一方的に一人でしゃべり続けている場面にしばしば出会うことがあります。
特に最近では子どもが犯罪に巻き込まれる不安が高まり、親は子どもの行動を常に把握し、見知らぬ人に近づかないように、話しかけないように、と注意しています。保護よりも監視されていることになります。
現代の子ども達は、親の知らない場所で歩き回ったり、親に隠れて遠出したり、小川で遊んだり、野原で駆け回ったり、昆虫を捕まえて観察することなどが難しくなっています。
「見守り」とは多少のトラブルの可能性を覚悟しながら行動させるという態度です。
近年、脳科学の研究者の成果によって、乳児には驚くほどの能力が備わっていることが明らかにされています。
ここで重要なことは、乳児が受動的な存在でなく、能動的に周囲とコミュニケーションを取りながら自らを成長させているということです。 つまり子どもは生まれながらにして発信力や思考力、創造力を備えているということです。
子育ては一方的に親が働きかけるのではなく、する側とされる側の双方が作り上げていく行為を言います。
この親と子の双方向的な関係性のあり方に「子どもの創造力を養う」重要性がありますね。
また子どもは「遊び」と「ことば」によって多くの事を獲得していきます。 手足を動かすこと、人と関わり合うこと、などによって創造力が育っていきます。
最も良いことは、お母さんのお手伝い、家事を手伝わせることです。これが大いに創造力を生み、子どもに社会性を身に付けさせることにもつながります。 台所仕事の手伝いによって五感をまんべんなく刺激し、集中力を育て、思考力、創造力を養うことができます。
早速、毎日の台所仕事を手伝わせてみましょう。