教育[725]

親に間違って理解してほしくない「子どもの自立」の意味と考え方

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執筆者:立石 美津子

究極の子育てのゴールは「自立」。

子どもを生んだ瞬間から「いつかお別れする日のための子育て」。

自立!自立!と旗を挙げ「人に迷惑をかけてはいけない」「何でも一人で出来なくてはならない」の思い込みが激しい人がいます。 まだ子どもが3歳なのに「社会性を育てなくてはならない!」と思って児童館や公園に連れて行き、不安がって泣き叫ぶ子どもを自分の身体から引き剥がし、無理やり集団へ入れようとするお母さんがいます。

けれども、子どもが3歳まではまだ、特定の大人との愛着形成の時代です。

幼稚園の砂場を観察しても5歳児は子ども同士協力しあって大きな山を作っていますが、年少児はそれぞれ泥団子を作って自分の遊びに没頭しています。同じ空間で遊んでいても協力し合っていない状態。これを保育業界用語で“平行遊び”と言います。

固い泥団子が出来ると我先にと先生に自慢げに「見て~見て~」と持ってきます。「わあ、固いのが出来たね。凄いね」なんて褒めると自分も認めてほしくて先生に子ども達が群がってきます。自分だけが先生に認めてもらいたい時期。

人間の成長にはそれぞれの年齢の発達段階があります。ですから、小さな大人だと思って突き放さないこと。突き放すと大事な愛着形成がされないまま大きくなり、不安感はいっぱいに。却って、いつまでも親から離れられなくなってしまいます。

沢山、抱っこしてやり甘えさせましょう。これにより「うん、安心、安心、そろそろ冒険しようかな!」「未知のことに挑戦しようかな!」となっていきます。

さて、人には父となる人、母となる人から受け継いだ遺伝子により元々能力の違いがあってこの世に誕生します。色の黒い子、白い子がいるように知能的に高い子、低い子は確かに存在します。そこに家庭環境、学校など教育的刺激が与えられ能力が決まってきます。

その時、いくら頑張っても出来ないこと、わからないことがあります。 そんな時、「人に迷惑をかけてはならない」ではなく“人に助けを求めること”“わからないことは人に質問する”ことができるように育てることが自立の一歩。

例えが極端ですが、知的障害があるケース。人に助けを求めないで何でも出来るようにすると療育、訓練にストイックになっている保護者がいます。しかし「僕はお金がわからないので助けて下さい」「私は時計が読めないので教えてください」このようにSOSを発信できる力、そして愛される人柄を作ることがより大切なのではないでしょうか。

健常児を育てるにも障害児を育てるにも “自立”の意味を間違わないでほしいと思います。

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