子どもの声って迷惑極まりない騒音なのでしょうか?
子育てしやすい国を作ろうと保育園の建設ラッシュ。その中での保育士不足の問題、そして労働に対しての対価が低いことがその要因になっているとも言われています。
こんな中、人の配置と入れ物としての建物が作られても「子どもの声がうるさい」という近隣住民の猛反対で開園が延期されたり、部屋を閉め切って園庭で子どもを遊ばせることができない保育園まで出てきています。
元々、東京都の環境確保条例では工場、建設現場、拡声器、深夜営業に対して騒音の規制があります。「これは何人に対しても適応される」とされ“人の声も含まれる”とされています。
そうなると子どもの声もその規制の対象となってしまうのです。
でも子どもは元気に走り回り声を出すもの、その中で心身が発達していきます。そのため「単に音を数値化して規制することは子どもの心身の発達に悪影響を及ぼす」の反対意見が出て、もめているのです。
さて、子育て中の皆さんはこの問題についてどうお感じになりますか?
将来、子どもが成人し手を離れて老夫婦で今の場所に住んでいるかもしれません。でも、そこに保育園がある限り、毎日、毎日、100人近くの子どもが園庭で声を出し走り、鼓笛隊の練習をする状況は続くわけです。どう感じますか。
人によっては身勝手な人もいて、「昔、うちの子もお世話になり近隣には協力してもらった」とは思えず、自分に関係がなくなってくるとうるさく感じてしまう人もいるようです。 でも、一歩譲って社会の一員として考えてみましょう。
音楽会や運動会など特別の行事の前ではないのに毎日、園庭で拡声器を使って喋る保育士。、鼓笛隊の練習を屋外でしたり、窓を開けてピアノを弾く、このような状況ですとずっと家にいる近隣住民にとっては辛いものがあります。また夜勤勤務の人もいます。ゆっくり睡眠がとれませんよね。
また、子どもの送迎時にママ友とのお喋り、大きな声で民家の前で喋るのはどうなのでしょうか。節度ある態度が必要ですね。
騒音問題になる音量でなくてもファミレスで大声で喋る、子どもが奇声を発して走り回る、ボックス席でオムツを変えるなど、「子育て中なんだから大目に見てよ、仕方がないでしょ」の態度はよくありませんね。
周りに迷惑になるだけでなく人前でお尻を見せたり、TPOをわきまえず声を出すのは子どもにマナーを教える上でも慎む必要があります。
こんな光景をみて「最近の若い親は非常識」、「今どきの子どもは」と悪いレッテルを貼られてしまうこともあります。こうなると、声を出してもよい公園や園庭の音さえも許せなくなる人も出てきます。
“子どもの声を騒音として規制すべき”という意見の中に「子どもでも人に迷惑をかける行為は躾として教えなくてはならない。近隣住人への配慮を考え園庭で声を出すべきではない」という考えがあります。
もちろん、給食中や先生が紙芝居をしている時に静かにさせる、椅子に着席させる躾は必要です。けれども園庭で鬼ごっこしたり、楽器や歌を歌うことを迷惑行為として捉えるのはどうでしょうか。
預け先の保育園が減り、あったとしても室内に閉じ込められて園庭で思い切り遊ばせてもらえない状況を見た若い世代が、益々子どもを産まなくなったらこの国は一体どうなるのでしょうか。少子高齢化に拍車がかかり年金制度を始め様々な制度が崩れていきます。消費する人間が減れば益々物は売れなくなり不況になり国は衰退していきます。
“今、目の前にいる子ども達が自分達の国の未来を作っていく”という視点を持ってもらいたいと思います。
ピアノの音、マンションの上の階から聞こえる子どもの足音、人間関係が出来ていないと僅かな音でも気になり神経を逆なでされるものです。
普段、道で会った時、「おはようございます」と挨拶する、餅つきの時は来賓として招待状を送ったり、ついた餅を周りのお宅に配るなどの気遣いにより、子どもが騒いでいても受け取る気持ちは随分と変わってくるものです。
条例は条例でお互いの置かれている状況を配慮し行政に整えてもらいたいですが、最終的には人と人とのお付き合いです。気遣い、思いやりが問題を解決してくれるのでなないでしょうか。
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