テレビやタブレット・パソコンなどの教育ツールは使い方によっては毒にもなりますし、薬にもなります。しかしその具体的な線引きはなかなか難しいですよね。個人差もありますから、一概に「これが絶対に良いやり方だ」といったものはないのかもしれません。
それでも、ある程度の指針は示すことができると思いますので、今回はそれについて少しお話ししていこうと思います。
<テレビが毒となるケース>
ここではテレビが毒、つまり「子供の教育・成長にとってマイナス方向に進むケース」について述べていきます。まず一つ目の要素が「テレビの視聴時間」についてです。テレビの視聴時間が子供の発育阻害に影響するという発表は様々な研究でも明らかになっております。例えばある研究においては、テレビの視聴時間が1時間増えるごとに、ADHD(注意・欠陥多動障害)や自閉症を誘発する割合が5%上昇するとの結果が出ております。
これはやはり、テレビをずっと見ていることで、外的な刺激が一方的に与えられる状態になるため、「自分で考えて行動する」ということや、「双方向的なコミュニケーションを取る」といったことがなくなり、結果として上記のようなものを誘発すると考えられます。母親が積極的に子どもに話しかけなかったり、家で放任していたりするなど、様々な要因が重なって起こるものとも考えられますが、やはりテレビの視聴時間が長くなることでの影響も関連しているのではないでしょうか。
現代は、低迷する景気によって、共働きなども増えているので、ある程度の年齢になった子供は家でテレビを見て留守番ということも珍しくはなくなりました。また、昔のように近所の人が自分の子供を見てくれて、地域ぐるみで育てていくということが極端に少なくなった時代でもあるので、そういう社会的な要因もあるのかもしれません。いずれにしても、それを「仕方ないこと」と諦めてしまうのではなく、積極的に改善に向かうように働きかけていかなければ、今後もっとそういう障害を抱えた子供が増えてしまうのではないでしょうか。
<教育ツールが薬となるケース>
上述したように、テレビが子供に及ぼすマイナスの影響はとても恐ろしいものです。使い方を一歩誤ると、子供の人生にまで影響してしまいます。しかし、賢い使い方を覚えていけば、子供の知育にもよく、情操教育に使うこともでき、より「豊かな人間性」を持った子供に育てることもできるのです。例えば、「知育」を例に取ってみましょう。
今の時代はデジタル化の時代ですから、タブレットやパソコンを用いて、様々なアプリを利用することが出来るので、子供の教育ツールを探すのに苦労することはほとんどなくなりました。
しかし、ただそれを見せているだけではいけません。大事なことは「子供と一緒に学習する」スタンスを貫くことなのです。言葉を覚えるのにしても、数字を覚えるのにしても、子供に問いかけながら、何度も褒めてあげながら、一緒に進んでいくのです。そうすれば子供と親のコミュニケーションにもなりますし、褒められることによるモチベーションアップにもつなげることができます。また、親とのやりとりを通じて、様々な感情を養うこともできるので、とても感受性豊かな子供となることでしょう。
<最後に>
便利な時代になりましたね。しかし「便利」ということはとらえ方によってはとても恐ろしい結果につながります。大人でも便利さにかまけて自分で考えることをしなくなると、どんどん脳が衰えてきます。常日頃から大人自身が自分の頭で物事を思考し、その習慣を子供に伝えてあげてください。それに加えて便利なツールを併用すれば、相乗効果でとても素敵な大人に成長するのではないでしょうか。大人が子どもの良い見本となれるように、動いていきましょう。