教育は教師が行うもの、というのは間違いです。教育はその土台を形成するのは両親であって、教師が行う役割はその土台の上に上積みをしていくというものなのです。では、両親が行う教育とはいったい、どのようなものであって、子供を正しく教育するためには母親と父親はどのような役割を持っているのでしょうか。今回は教育における父親と母親の役割についてお話ししていきましょう。
<母親の役割>
教育の9割は母親にかかっているといっても過言ではありません。1日の中で子供が最も関わるのは母親であり、母親から教わることが子供の土台となっていることは理解に難くありません。ではいったい母親はどのように子どもの教育に関与していけばよいのでしょうか。 最も大事なことは「子供との対話」です。これは子どもがどんなに小さな時であっても大切なもので、子供に「言葉」を投げかけてあげることはとても大事なことです。
今ではスマホやタブレットがあるので、子供に言葉を教えるのも、すべてそういった機械に任せてしまっているという人も多いようですが、あくまで大人が直接教えることがメインであって、そういった機械は補助的なものとして使用しなければなりません。どんなに子どもが聞いていないように見えても、理解していないように見えても、しっかり耳から音は入っています。そして機械から来る音ではなく、「生身の人間から聞こえてくる音」を通してコミュニケーションを取れる能力を付けられるようにしてあげることは大事な役割です。これができるのは一緒にいてあげる時間が長い母親しかいません。
そしてもう1つ大事なことが「情操教育」の担い手としての役割です。やはりこれも日常生活の様々な部分で子供と一緒にいることの多い母親だからこそできる役割と言えます。ここでは「やってよいこと」と「やってはいけないこと」の区別が出来るようにしてあげましょう。そのためにはまず大人である自分がロールモデルとならなければいけませんから、自分の行動を客観的に見られることが大前提となるでしょう。また様々な体験を一緒にすることで「喜怒哀楽」を教えることも重要です。良いことがあった時には一緒に喜び、時には理不尽なことに対して起こり、辛いことはともに哀しみ、面白いことをやってともに楽しむ、そんな共同体験をすることで子供の感受性も豊かになることでしょう。
<父親の役割>
世の中のお父様は、「父親は仕事に勤しみ、一家の大黒柱として頑張る」というだけで満足してはいないでしょうか?しかし父親にだって教育に関与できる場面はしっかりあります。父親は子どもに「母親とは違う意味で頼れる存在」であることを示さなければなりません。それはどんなことでも良いのです。「休日には子供の勉強を見てあげる」「子供と一緒に外に出掛ける」「子供と一緒に何かを作る」とにかく子供と「関わる」ということを大事にしてあげてください。
子供はあまり気づいてないように見えて、実はしっかり気づいています。大きくなった時に進路や将来について色々口出しをし始めても遅いのです。そうなってからでは「何をいまさら」と言われかねません。いざとなった時に子供が頼って来られる、そんな下地を小さい時から築いていくことこそ父親のあるべき姿なのです。普段は仕事が大変なので休日くらい一人でゆっくり休みたいと思うかもしれませんが、それは母親も同じことです。休日だからこそ子供に関心を持って接していけば、「頼れるパパ」となる日も近いかもしれません。
<最後に>
教育というと「勉強」のことばかり考えてしまいますが、実際には「人生をかけて子供を人間的に成長させていく」ことだって立派な教育なのです。それは母親だけではできませんし、父親だけでもできません。両親の協力があってこその教育ですので、ともに力を合わせて、ときには報告・連絡・相談をしあいながら、子供の人生に関与していきましょう。