英語が使えることが普通の時代となった今では、履歴書に「英検○級」「TOEICスコア○○○」などの言葉が並ぶようになりました。むしろ、英語の資格を持っていない方が珍しい時代とも言えるのではないでしょうか。そこで、今回は主に「英語検定」と「TOEIC」の違いについて、細かく説明していきましょう。
<英語検定とは?>
日本で、未就学児から大人まで、非常に幅広く受験されているのが英語検定、いわゆる「英検」ですね。ほとんどの日本人はおそらく中学生の時に1度は受けているのではないでしょうか?英検は大学の推薦に出願するための要件になっていることも多く、就職の際に履歴書にも書けることから、非常に幅広く受験されています。しかも、英検の最大の魅力は「資格の効力が一生続く」というものです。例えば高校の時に死ぬ気で勉強して英検1級を取得したら、一生履歴書に「英検1級」と書くことができるのです。
しかし、それがもろ刃の剣となることもあるようです。それはなぜでしょうか?1度取得したら一生続く、ということは、「10年前に取得したけど、もうあの頃ほど知識はないだろう」というくらい英語力が低下してしまったとしても、その資格は「保持」していることになるということです。それを信用してその人を採用した会社は、入社後に「実は採用した人が英語ができない人だった」と嘆くだけでなく、採用された本人も「英語は実はもうあまり出来ないのに、こんな仕事任されてしまった」となり、採用のミスマッチにつながることがあります。ですから、英検で注意しておきたいのは、「取得した後でも努力を怠らないこと」でしょう。
ひとまず目安としては「高校生なら2級まで」「大学生なら準1級まで」は確実に取得しておきたいところです。準1級でも合格率は非常に低いので、取得しているだけでも、ある程度までは有利に働くことが多いようです。
<TOEICとは?>
ここ10年の中で、TOEIC(トーイック)を受験する人が増えてきています。TOEICが英検と違う点は、主に2つです。それは「出題内容」と「合否」です。出題内容は、分量からして英検とは大きく異なります。
英検は全ての問題を合わせて合計75問程度であるのに対して、TOEICはリスニングが45分で100問、読み取りが75分で100問、計200問から構成されます。そして、リスニングも「写真を見て当てはまる英文を選ぶ」「会話の最後の台詞に続く台詞を選ぶ」「2人の会話を聞いて設問に答える」「1人の人が話したスピーチ内容についての設問に答える」、読み取りも「文法」「メール」「手紙」「広告」「新聞」というように、非常に多岐に渡る内容かつ「日常生活をする上で頻繁に出てくる場面」を想定した問題となっております。(ちなみに英検は、やや堅苦しい単語などが多めに出題されます)分量が相当多いので、かなりのスピードをもって進めなければ到底終了には至りません。
1回目の受験で全ての問題を解き終えられる人が少ないのはそういった理由からです。ただし、「合否」に関しては、TOEICには存在しません。リスニング・読み取りそれぞれ495ずつのスコア換算で算出され、合計990となっているので、何回も受験することで徐々にスコアアップする喜びを感じることができます。
また、近年の就職活動でのエントリーシートでは、英検よりもTOEICを書くケースが多いようです。これは、英検と違ってTOEICは「スコアの効力は2年間」となっているため、提出されたスコアが10年前のもの、といった事態が起きないからです。少なくとも2年以内のスコアであるため、現在の英語力と大きくかけ離れていないので、採用する側としても安心ですね。応募する側もそれを励みに何度もチャレンジできるのはかなりのメリットと言えるでしょう。ちなみに、入社した後の昇進要件としてTOEICを活用している会社も多いので、そういった場合は継続して勉強をするモチベーションにつながりそうですね。
<最後に>
結論としては、どちらを受けた方がより良いというものはありません。時間的・費用的に余裕があるのであれば、どちらにもチャレンジして、胸を張って「両方取得しています」と言えるのもカッコイイかもしれませんね。
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