[防災・防犯]「夜は明るければいいの?」建築士が考える防犯と照明

「夜は明るければいいの?」建築士が考える防犯と照明

2015/02/25

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先日、回覧板で「当自治会内の街灯を全てLED照明に入れ替えました。」というお知らせが入っていました。

見渡せば以前よりも数段、明るさが増しました。近隣の皆さんも、「明るくなって良かった!」という声が大半をしめていたけれど、著者の気持ちは少し複雑です。

防犯協会の防犯照明ガイドでは、「半径4mの範囲を1ルクス以上の明るさで照らすと良い」とされています。【半径4m】の理由は、「直径8m=危険を察知して逃げられる距離」という想定で、【1ルクス】の理由は、「顔(表情)が確認できる明るさ」という根拠からきているようです。

1ルクスの明るさとは、非常灯の明るさなのですが、映画館の非常灯の明るさと言えばピンとくるでしょうか?そう考えると、防犯協会の防犯照明ガイドの指針が、意外と暗いことになりますね。ただし、実際は、建物内の明るさが窓から漏れたり、玄関先や門扉の照明も付いているので、住宅街であれば、映画館のような暗さを感じることはないと思います。

照明といえば、室内空間は基より、建物のファサード(正面)、外構やアプローチ等を効果的に演出するアイテムとして、無くてはならない存在ですね。今や、照明からの視点で建築へアプローチする「ライトアップ」なども大いに注目を集めていて、照明は単なる「明かり」の役割だけではなく、芸術の領域にまで入ってきました。

昨今、LED照明の実現で、美しい光と共に省エネルギー、器具の小型化ということで、照明の世界やライトアップの可能性に大きく寄与していますね。

そして、どんどん夜が明るくなっていく・・・

もちろん、著者自身も照明を防犯の役目として、建物の演出として、よく採用していますが、こうすることで「夜空の星」をなくしてしまっているのだと思うと、胸が痛いのです。ですから、必要な時に必要なだけ明かりを確保するように、「人感センサー」や「タイマー設定」などの工夫をしています。これは、省エネにも有効ですよね!

「夜空の星」のためではないのですが、環境省でもマンションやビルなどに使用するライティングについての指針が出ています。これは、近隣の住宅に配慮するもので、夜はそんなに明るくしないように・・・という意味で、上部へ光が拡散する照明はタブーなのです。※戸建住宅には関係ありません。

夜が明るいと、睡眠の質にも影響を及ぼし兼ねません!

防犯と照明、そして夜空の星★みんなで考えたい、大切なテーマですね。