[乳児・幼児]「何故いうことをきかない?」子どもの好ましくない言動について

「何故いうことをきかない?」子どもの好ましくない言動について

2015/07/17

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子育てをしていて、「なぜ、子供は親のいうことをきかないんだろう?」という疑問には、保護者様であればどなたでもぶち当たるのではないかと思います。

子供の「好ましくない言動」には理由があり、そのような態度を取る子供は、やる気をなくした子供である場合が多いということはご存知でしょうか。

そういう子供達は、建設的な言動で関心を集めたり、注目してもらう機会が少ないために、自分が家庭や社会の中にいても、人の役に立つことができないと思い込んでいます。

反対に、親や先生、周りの人にとって困るような言動を取ることによって、その関心や注目を得ようとしているのです。「好ましくない言動」を通して、どうにかして家庭や社会に所属していこうとしているのです。

精神科医のルドルフ・ドレイカーズは、子供の「好ましくない言動」を大きく4つのパターンに分類しました。

「好ましくない言動」そのものを見つめるのではなく、その結果に注目するトレーニングを行うことで、「好ましくない言動」により子供が何を求めているのかがわかってきます。参考にしてみてください。

第一に、「関心を引く」ことを目的としている場合があります。

幼い子供には共通して、親の関心を引きたいという気持ちがあります。初めのうちは、自分が役に立つことをして関心を引こうとするのですが、それがうまくいかないと、問題を起こしてでも関心を引こうとするのです。

第二に、主導権を握ることを目的としている場合があります。

主導権を握ろうとする子供は、人に命令する立場にたったときに、自分の存在価値を感じます。子供が反抗的だと、親はカッとしてやり返したくなるのですが、それは良くありません。

主導権を握ろうとする子供に対しては、大人は決して怒ってはいけません。主導権を握ろうとする子供の行動を、親の権威で押さえ込もうとすると、子供はより一層、「力」や「権力」といったものに魅力を感じてしまう結果となります。

第三に、仕返しをすることを目的としている場合があります。

こういった場合の子供は、自分は人から愛されていないと信じ込んでしまっています。これまでずっと、周りから傷つけられてきたと感じているために、他人を傷つけたっときに初めて自分の存在価値 を感じるのです。

こういう子供を助ける場合には、どんな場合でも、親は子供に仕返しをしてはいけません。これはそう簡単なことではありませんが、どんなときでも穏やかに善意のこもった言動を取り続けることは、親子関係を健やかに導きます。

第四に、無気力な態度を示すために、わざと好ましくない言動をしている場合があります。

この第一から第四の段階は、段階を経るごとに、傷が深くなっています。子供がこの第四の段階になった時点では、たいてい親も、その子供に絶望し、あきらめていることが多いのです。

自分には能力がないと感じている子供を助けるためには、親はあらゆる批判を控え、子供の長所と能力に注目することが必要です。些細なことも見逃さずに、愛することが必要です。

多くの場合、子供達は、どういう言動を取ればどういう結末になるかがわかっていると思います。

しかし、なんのためにその言動を取るのかは、自分では気付いていないことが多いのです。親が子供に対する態度を変えない限り、子供の言動や考えももちろん変わりません。

子供の好ましくない言動の理由が親にあるとは限りませんが、親が巻き込まれて反応してしまうと、子供のそういった行動を、より誘い出してしまうことになりますので、子供の行動を変えたいと願う場合は、まず親自身の言動を変えることから始めなくてはなりません。

子供のしつけは、知識として知っているだけでは効果がありません。相互を尊重し、子供と楽しい時間を持つことが大切です。

そして、子供に自信を持たせるためには、親が子供に対して自信を持たなくてはなりません。失敗にあまりこだわらず、子供の持っている長所や能力を認めることがいかに大切か、ということを知っておきましょう。

愛情を伝えるということも、たいへん重要です。愛情は、おたがいに尊重し合おうとする親の心構えや、子供自信に責任感や自立心を育てようとしている態度などによっても伝えることが出来ます。ぜひ、言葉のみならず態度も使って、子供と良い関係を築くことにチャレンジしていってください。

知識と言葉、そして態度のバランスを取りながら、子供の「好ましくない言動」の真意を理解していきましょう。

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