[家庭のこと]上手なお手伝いへの導き方

上手なお手伝いへの導き方

2016/07/07

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お手伝いはさせたいけれど、「すぐに飽きる」「つい手を出してしまう」など、壁にぶつかっているママは多数います。

「ママの関わり方次第で、子どもは変わる」と、モンテッソーリ教育理念では、子どもたちの家事参加を大切にしています。子どもをお手伝いに上手に導くポイントを確認しましょう。

モンテッソーリ教育の幼稚園では、登園後、子どもたちは、教室に準備されたさまざまな教具を選び、「お仕事」と呼ばれる活動をして過ごします。

なかには野菜を切ったり、洗濯板で布を洗ったり、家事につながる「お仕事」もあります。先生からの指示ではなく、自分の意思で選んだ「お仕事」に取り組む子どもたちは、目の前の作業にぐっと集中し、大きな声ではしゃいだり、動き回ったりする子は見られません。

なぜモンテッソーリ教育の幼稚園の子どもたちは、こんなにも集中しているのでしょうか?

元気いっぱいに外で遊ぶのも子どもの一面ですが、目の前のことに静かに集中するのも、子どもが本来もっている一面です。

たとえば、引き出しの中のものを次々と出して「おいた」をしているときは、とても集中していて静かです。親から見れば、「おいた」ですが、自分が求めているものに出会い、手を動かしているときの子どもは、心から満たされた状態にあります。それが静けさの理由です。

現在は脳科学が発達して、手を使うことで脳が育つことが実証されていますが、モンテッソーリ女史も100年ほど前、子どもたちをつぶさに観察することで、子どもは手を使うことが幸せであり、手を使う子とそうでない子とでは、心の育ちがまったく違うことに気づきました。

物をつまむときの指の動きや、野菜を切るときの手首の動きです。園での「お仕事」や家庭でのお手伝いを含めた日常生活で、たくさん手を動かすことは、脳に刺激を与えるとともに、鉛筆を持って字を書くための手や腕の準備運動にもなっています。

その大事なプロセスを経ず、いきなり鉛筆を持たせても、思ったように手を動かすことはできません。ママのなかには、「お手伝いよりも勉強をしてほしい」と考える方もいますが、そうして家事から遠ざけることで、子どもにとってとても大切な、手を使う機会を奪ってしまっているのです。

また、子どもは家事をすることで、自分の家族の一員であることを自覚します。自分が行う小さな家事が家族から「ありがとう」と感謝されることは、自己肯定感につながります。

モンテッソーリの幼稚園で日々の活動を「お仕事」と呼ぶのは、「遊び」のように途中で投げ出すのではなく、最後までやり遂げるものだからです。家庭での家事も同じことだと思います。

「いろいろなことを試したい」「手や指を動かしたい」意欲がピークを迎える2歳半以降は、家事に挑戦させる格好の時期です。

モンテッソーリ教育では、子どもが「お仕事」をする際、先生は「教える」のではなく、「援助」というかたちで関わります。「教える」は、大人が上、子どもが下という関係になるからです。

主役である子どもを尊重し、困ったときのみ、最低限の援助をする黒子に徹しています。同様に、子どもを尊重していないタブーとされているのが「代行」「命令」「放任」です。

「代行」は、子どもが自分でやろうとしていることを、「時間がないから」「危ないから」とママが代わりにやってしまうことです。

「命令」は子どもがやりたい家事ではなく、ママがやってほしい家事を「これをやって」と決めつけてしまうことです。

「放任」は、一見自由にさせていいように感じますが、たとえばいきなり台布巾を渡し、「これでテーブルを拭いてね」と言うだけでは、子どもはどうしていいのか、わからないのです。

必ずお手本を見せ、必要なときは援助ができるよう見守ることで、子どもは意欲をもって家事に取り組み、自分でやり遂げる「いい結果」につながるのです。