[家庭のこと]子どもとのコミュニケーション【反映的な聴き方】

子どもとのコミュニケーション【反映的な聴き方】

2015/07/29

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家族の絆を深めようとするなら、子供との間に効果的なコミュニケーションをつくらなくてはいけません。子供の話を「聴く」ために必要な能力について考えてみましょう。

ここでは、心理学者のアルフレッド・アドラーの考え方を引用しながら、「聴き方」と「コミュ二ケーション」について話をしていきます。

子供たちともっとゆっくりコミュニケーションを取りたいと思うのであれば、まずあなた(保護者様)が「聴いている」ことを子供たちに知らせる必要があります。多くの家庭で不十分なコミュニケーションがくりかえされています。

「お子様と、話し合っていますか?」という質問をすると、「はい、もちろんです。子供とはいつも話し合っています。」というお返事がよく返ってきます。

ところがこの「話」は、小言やとがめ立て、批判、おだて、おどし、お説教、忠告、さぐり等々であることが実に多いのです。これらは例え、保護者様に悪気がなかったとしても、決して親子のコミュニケーションを深めるものではありません。親子関係にひずみをもたらし、悪くするばかりなのです。

これを読んでいらっしゃる保護者様は、ご自分が不機嫌なとき、ほかの人のどう接してほしいと思うでしょうか?

ひとりにしてほしいときもあるでしょうし、自分の話に耳を傾け、受け入れてほしいと感じるときもあるでしょう。子供も、それは同じことなのです。

子供の話を聴くときには、その言葉だけでなく、言葉の背後にある感情を理解し、それを子供に伝えることが必要です。これを「反映的な聴き方」といいます。

子供が取り乱した話し方をしたときには、子供自身の話の内容が明らかになるような聴き方をすると良いです。親が鏡になって、子供の感情を映し出し、もつれた糸をほぐしてあげるのです。そうすれば、問題を解決するための糸口が生まれます。

人と人とのコミュニケーションには、「閉鎖的な応答」と「開放的な応答」があります。

「閉鎖的な応答」とは、聴き手が相手の話を聞いていないこと、理解していないことを相手に伝えてしまうことです。ほとんどの場合、ここでもコミュニケーションは断ち切られてしまいます。

これに対して「開放的な応答」とは、相手の話に聴き手が耳を傾けて、理解していることを示す態度です。相手の話だけでなく、その背後にある感情も聴き手がしっかりと受け止め、それを鏡に映し出してみせるのです。

では次に、上記で記載した「反映的な聴き方」と「閉鎖的・開放的な応答」の例を示していきます。

まず、「反映的な聴き方」からです。

子供「あの先生、いつも私のことばっかり叱るんだよね。今のクラスにいる限り、私ってどんなに努力して勉強しても無駄だよ。」

親「あなたは先生に腹を立てているのね。がっかりして、勉強を頑張っても、どうしようもないと思っているんだね。」

このように、「反映的」な聴き方では、親が鏡のような役割を果たします。子供は親の言葉を聴いて、自分の感情をもっとはっきり知ることができるのです。子供にフィードバックを与えます。

次は、子供の話に対する「閉鎖的な応答」と「開放的な応答」の例です。

子供「あーあ、今日はさと子ちゃんたちを家に遊びに誘ったのに、みんな用事があるから来てくれないんだって。さみしいなぁ。今日はなんにもすることがないわ。」

閉鎖的な応答をする親「そんなにいつも自分の思い通りにはいかないもんだよ。それが人生ってものだよ。」

開放的な応答をする親「誰もかまってくれないような気がするんでしょ?それで、一人だけ取り残されたと感じているんじゃない?」

最初の「閉鎖的な応答」は、子供の気持ちをまるで理解していません。子供の感情なんて、なんの意味も持たない、と言っているのと同じことなのです。 このようなやり込めるタイプの受け答えは、コミュニケーションを妨げ、子供は「自分が拒否された」と感じます。

二番目の「開放的な応答」は、子供がどう感じているかを理解していることを示しています。子供を受け入れ、気遣っているといえるでしょう。 こういう対応をされた子供は、もっともっと話したい、というふうに感じます。

「反映的な聴き方」とは、子供がどう感じているか、何を言いたいのかを、親が映し出して開放的な応答をすることです。そのためには、いろいろな感情を汲み取る感受性と、それを表現する能力が必要です。

「反映的な聴き方」は、善悪の判断をしません。そのために、子供は自分の話をもっと聞いてもらいたいと思うようになり、進んで話をするようになるでしょう。

コミュニケーションとは、言葉によることばかりではありません。言葉以外の、例えば、身体や顔の表情、口調などにも、相手の話をちゃんと聴いているかどうかがあらわれます。

ほほえみ、しかめっ面など、様々な表情やしぐさでも、私たちはコミュニケーションをとっているのです。子供を過保護にはしない、小言は言わない、子供に口出ししない、と心に決めさえすれば、言葉に出さなくてもそれが自然に子供に伝わります。

子供が感じていることや言いたいことに親の判断を交えず、あるがままに受け入れることが出来れば、言葉を使おうと使うまいと、 親子の間の理解とコミュニケーションは深まります。

子供の感情をよく理解していることを示すコツに、修飾語(副詞)を利用することがあります。

例えば、 「ママのことを、かなり怒っているんだね。ごめんね」や、「とっても嬉しいんだね」、「かなり傷ついたんだね」というふうに、感情や動作を強調すると伝わりやすくなるといわれています。

「反映的な聴き方」について、保護者様の間でよく言われることがあります。「どうして子供の言葉をそのまま投げ返すのかわからない」 「答える前に、一度立ち止まって考えるなんて、嫌だ」「そんな言い方をするのってバカバカしい・・・」などと、疑わしそうな視線を向けてこられることが良くあります。

「反映的な聴き方」とは、子供の言葉をただ単におうむ返しにすることではありません。子供の感じていること、言おうとしている意味を、 親が理解しようと努力し、そして、そのことを子供に伝えることが大切なのです。

子供は、「私、あの子が超キライ!」というように、自分の感情を直接言葉にしますが、その際にたいていはボディランゲージや声の調子でも表現しています。

たとえば、ある子供が泣きながら「みんながボクのことをいじめるんだ」と言ったとすると、その声の調子や涙から、彼が仲間から心を傷つけられたことがわかります。

しかし、言葉で「傷つけられた」とは、言っていません。上手な聴き手は、言葉にあらわれない感情を敏感に感じ取ります。そして、「みんなにいじめられて悲しのね」と、 子供の感情をはっきりとさせることができるのです。あなたが子供の感情を理解し、それを言葉に反映させたとき、子供はあなた理解されたことを感じ取ります。

「私、あの子のこと、大っきらい!」と子供が感情を直接あらわした場合は、その感情を単純に認めるだけでOKです。

「その子のこと、本当に怒っているんだねぇ」という風に、子供の言葉のおうむ返しにはならないように注意して、理解を示してあげると効果的です。おうむ返しの言葉には、子供を気遣い、理解しているという気持ちが込められていないので気をつけましょう。

もし保護者様方がお子様方とのコミュニケーションのあり方に十分満足されているのであれば、「反映的な聴き方」を学ぶ必要はありません。

しかし、ほとんどの保護者様にみられるような衝動的な答えは、間違ったコミュニケーションにつながりやすいのです。衝動的な返答は、子供の「間違った狙い」に答えてしまいがちになり、子供に大人が操られてしまうことになりかねませんので、改善していくようにしましょう。