保険[73]

遺族基礎年金と遺族厚生年金について

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執筆者:門衛 保険運営チーム

様々ある年金の種類

年金保険といいますと、高齢になって働けなくなった場合の所得保障というイメージが強いですが、年金保険には、老齢年金の他に障害年金や遺族年金もあります。ここでは、遺族年金について考えてみます。
 

遺族基礎年金について

公的年金制度における遺族年金には遺族基礎年金と、遺族厚生年金があります。このうち、遺族基礎年金については、国民年金の被保険者、老齢基礎年金の受給権者、老齢基礎年金の受給資格期間を満たした者等がなくなった場合に、一定の遺族に支給されます。
 
この一定の遺族とは、子のある妻又は子で、被保険者又は被保険者であった者の死亡当時、その者によって生計を維持していた者が該当します。なお、ここでいう子とは、18歳年度末に達しない子又は障害者で20歳未満の子のことをいいます。
 
また、被保険者の死亡により遺族基礎年金が支給される場合には、受給権者や受給資格期間を満たした者が死亡した場合とは異なり、死亡した被保険者に関して保険料納付要件を満たす必要があります。すなわち、死亡した者の被保険者期間のうち保険料の未納期間が1/3以上ある場合は、原則として遺族基礎年金は支給されません。
 

遺族基礎年金の金額について

遺族基礎年金の金額は、平成26年度価額で772,800円です。なお、子のある妻が受給権者の場合には、子の加算額が加算されます。子の加算額は2人目までは1人当たり222,400円です。第3子以降は、1人当たり74,100円です。例えば、妻1人子が2人の場合、妻が受け取る遺族基礎年金の金額は1,219,200円です。
 
また、子が遺族基礎年金の受給権者になる場合には、子の加算額は2人目から行います。

子が1人で遺族基礎年金を受ける場合には772,800円、子が2人の場合には995,200円、子が3人の場合には1,069,300円となります。
 

遺族厚生年金について

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者、老齢厚生年金の受給権者、老齢厚生年金の受給資格期間を満たした者がなくなった場合、厚生年金の被保険者であった者が、厚生年金の被保険者期間に発病した病気などにより、発病から5年以内に亡くなった場合、亡くなった者に一定の要件に該当する遺族がいる場合に支給されます。
 
厚生年金の被保険者がなくなった場合、または、厚生年金の被保険者であったものが、被保険者期間中に発病した病気などにより発病から5年以内に亡くなった場合には、原則として、その者の過去の被保険者期間のうち保険料の未納期間が1/3以上ないという保険料納付要件を満たす必要があります。
 

遺族厚生年金の受給権者について

遺族厚生年金が支給される遺族は、死亡した者により生計を維持されていた、配偶者又は子、父母、孫、祖父母です。なお、子や孫は未婚で18歳年度末又は障害者で20歳未満、夫・父母・祖父母は、被保険者等の死亡当時55歳以上でなくてはなりません。
 
また、受給権者には優先順位があり、配偶者又は子がある場合には、父母・孫・祖父母は受給権者になることができません。配偶者又は子がない場合には、父母が受給権者となり、孫・祖父母は受給権者にはなりません。配偶者又は子、父母がない場合には、孫が受給権者となり、祖父母は受給権者になりません。
 

遺族厚生年金の金額について

遺族基礎年金の金額は原則として、死亡した者の被保険者期間をもとに算出された老齢厚生年金の75%となります。なお、被保険者の死亡による遺族厚生年金の計算の際には、死亡した被保険者の厚生年金の加入期間が300ヶ月未満の場合には、その被保険者期間を300ヶ月とみなして計算します。

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