保険[73]

老齢基礎年金の受給要件と年金額の計算方法

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執筆者:門衛 保険運営チーム

老齢基礎年金の受給要件について

老齢基礎年金の受給権は、原則として、第1号保険者期間の支払済期間と免除対象期間、第2号被保険者期間、第3号被保険者期間の合計が300ヶ月以上あると発生します。ですから、原則としてですが、それらの3種類の期間の合計が25年いかない方は、年金を頂けません。
 
なお、国民年金第1号被保険者の被保険者期間は20歳の誕生日の前日が属する月から60歳の誕生日が属する月の前月までです。全部で480ヶ月あります。第1号被保険者がこの480ヶ月のすべての期間について保険料を納付したとします。その際に受け取ることができる老齢基礎年金の金額を満額と言います。
 
満額は、804,200円×改定率(100円未満四捨五入)で決まります。改定率とは、年金の支給額に賃金や物価変動率の変化を反映させる数値です。平成264月からは改定率は0.961となります。従って、平成264月以降の老齢基礎年金の満額の金額は、804,200円×0.961772,800円(100円未満四捨五入)となります。
 

老齢基礎年金の支給額の計算方法

なお、実際に支給される老齢基礎年金の金額は、この満額から、保険料納付済期間が480ヶ月に満たない人の場合は、その不足分を減額して定めます。この方式の年金額の決定方式をフルペンション方式と言います。
 
例えば、受給資格が発生する下限の300ヶ月しか保険料の納付済期間がない方の場合の老齢基礎年金の金額は平成26年度価額で、772,800円×300/480月=483,000円となります。また、同じく、保険料納付済期間が400ヶ月ある方が受け取ることができる老齢基礎年金の金額は644,000円です
 

老齢基礎年金の金額計算における厚生年金被保険者期間等の取扱い

なお、年金額の計算の際に用いる被保険者期間については、厚生年金の被保険者期間、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済組合の組合員期間で20歳以上60歳未満の期間、国民年金の第3号被保険者期間は、第1号被保険者の全額保険料支払済期間として扱われます。
 
つまり、それらの期間の1ヶ月は、老齢基礎年金の年金額を計算する際には、1ヶ月として1カ月として扱われます。ですから、同一の会社に20歳の誕生日の前日に就職し、60歳の誕生日の前々日に退職した方の場合、厚生年金の被保険者として期間が480ヶ月あるわけですが、この方の老齢基礎年金の金額は満額の772,800円です。
 

老齢基礎年金の金額計算における国民年金保険料の免除期間の取扱い

1号被保険者が納めるべき国民年金保険料には、被保険者の所得状況に応じて、4段階の免除制度があります。それは、全額免除、3/4免除、1/2免除、1/4免除です。国民年金保険料は、平成26年度価格で15,250円です。
 
したがって、全額免除を受ければ月々の支払保険料は0円、3/4免除で3,810円、1/2免除で7,630円、1/4免除で11,440円となります。ただし、この免除制度の適用を受けた場合、将来受け取る年金額の計算の際に不利益を被ります。
 
例えば、平成213月以前の期間については、保険料納付済期間を1とすれば、全額免除期間は1/33/4免除期間は1/21/2免除期間は2/31/4免除期間は5/6として将来の年金額に反映されます。
 
一方、平成214月以降の期間については、保険料納付済期間を1とすれば、全額免除期間は1/23/4免除期間は5/81/2免除期間は6/81/4免除期間は7/8として将来の年金額に反映されます。
 
計算例をあげますと、例えば、国民年金の第1号被保険者の納付済期間が400ヶ月、平成213月以前の全額免除期間が60ヶ月、平成214月以降の1/2免除期間が20ヶ月ある方が受け取ることができる年金額は722,800円×(40060×1/320×6/8)÷480で計算されます。計算結果は700,400円(100円未満四捨五入)となります。

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保険総合ランキング2024/04/24 更新

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