こんにちは。『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子です。
暑くもなく、寒くもなく一年のうちでお出かけには最適の季節ですよね。家族との外出は公共のマナーを学ぶチャンスです。いくつかの例をご紹介しましょう。
遊園地に行くと土産物屋で色々なおもちゃが視界に入ります。そんなとき「買って買って」とねだることがあります。でも、好きなだけ買ってあげるわけにはいきませんよね。出かける前に「お土産のおもちゃは1つだけよ」と約束をしておきましょう。
それでも実際目にしてしまうと「あれも買って、これも買って」とねだってきます。“子どもを静かにさせるため”“周りの目が気になる”“可哀そうだから”とここで買い与えてしまうと一旦約束したルールを親が自ら破ることになります。ここで要求を受け入れてしまうと子どもは「泣いて喚いたら通る」と学習してしまいます。
こんな時は頭ごなしに「買わないって約束したでしょ!」ではなく「ほしいよね」とまず気持ちを汲み取ってあげた上で、「ほしい気持ちは凄くわかるけれども、1つだけってお約束したよね」と納得させましょう。
子どもがお友達の使っているものを欲しがったり、遊具を先に使いたいのは自然の感情です。「躾のできているママと思われたい」と親同士の人間関係を優先して、お先走って「我慢しなさい」とか「お友達に貸してあげなさい」と大人が誘導するのは止めましょう。相手を噛んだりつかみ合いのケンカにならない限りは、子どもがどのように交渉するのか見守りましょう。
子どもなりに「自分の思い通りならないんだ」と学ぶことができます。また、「自分が遊んでいるものは貸さない」など相手の要求にすぐに応じないで自己主張する姿勢も経験させた方がいいのです。
喧嘩になった時も「ごめんなさいは?」とシャンシャンと手拍子で事態の収拾を図るようなことはしない方が賢明でしょう。子ども同士で交渉し合い、折り合いをつけさせることで、コミュニケーション力が育ちます。過干渉は子どもの成長を妨げます。
電車内でも人目をはばからずに化粧している若い女の子がいます。新幹線でもないのに弁当を広げている若者がいます。長時間乗る場合は仕方がないですが、ぐずったからと短時間しか乗らない電車内で菓子を与えられて育つと“車内でご飯を食べても人目が気にならない大人“に育ってしまうかもしれません。
お菓子を口に入れればその瞬間は静かになりますが、なくなればまた求めます。そして、 ぐずれば菓子が出てくると子どもは学習してしまいます。
お菓子でなく小さい絵本(手のひらサイズの持ち運び用の本が売られています)を読み聞かせるなどして過ごすようにしましょう。
お菓子を食べると服やバギーに粉が付きます。それをパッパと床に払って下車していくママもいます。家の中では絶対にしない行為ですよね。“マナーを守れる子どもに育てたい”のならば小さいうちから大人が悪い例を見せない方が賢明ですね。
休日のイベントの起床。自分で起きるように躾けてしまいましょう。これを機に自分で起きる習慣を付けちゃいましょう。
小学生になってもまだ親に起こしてもらっている子どもがいます。大学生や社会人の息子を起こしている過保護な親もいます。入学後はチャイムの音を見て自分で行動しなくてはなりません。幼児期から時間管理をして、自ら起きてくる習慣をつけましょう。
幼児だって前の晩に目覚ましをセットすれば時計を見て「あ、7時だ!」と起きることができるんですよ。お母さんも家事の手を休めてお越しに行く手間も省けます。ついでに時計も読めるようにもなり一石二鳥です。
子どもが4歳以下で立っているのが危ない場合は子ども優先で座らせてもよいです。でも、前にお爺さんが立っているのに5歳の子どもが座っている。親が45歳で子どもだけが座っていて荷物もすべて親が持っているのはどうなんでしょうか。
「座りたい~座りたい~」と電車内で座りたがる子どもはそういう風に育てられてしまっています。子どもを王様にしないで「電車は立って乗るものだ」ということもたまには教えてしまいましょう。
子どもが電車内で騒いだ時、いつものパターンで指示命令口調で「静かにしなさい!黙りなさい」ではなく「小さな声で話そうね」と言いましょう。そして静かになったら即座に「静かにしていて立派だね」と褒めましょう。人は肯定形で言われた方が気持ちよく従います。
それから「ほら、前のおじさんが怒っているから静かにしなさい」こんな叱り方をしている親がいますがこれはNGです。静かにする理由が「おじさんが怒るから」と子どもが思ってしまうからです。電車内は公共の場、家ではないので騒いではならないのです。
ですから一言「電車内では静かに座りましょう。静かに出来ない人は電車に乗ることはできないのよ。」と言ってみてはどうでしょう。
厳しすぎると感じるかもしれませんが、これらのことはいつかはどこかで学ばせないとならないことです。できることから行楽の季節のお出かけの時に取り入れてみてくださいね。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
(画像をクリック、またはタップでアマゾンへジャンプします)