我が子には“素直な子になってほしい”と育てているのに、子どもって嘘をつくことがありますよね。
“嘘つきは泥棒の始まり?”なんだか悲しくなってしまいます。
願いが膨らんでついた嘘、これは聞き流してもいいです。又、嘘と知った上で話し相手になっても構いません。なぜなら子どもには嘘をついている意識がないからです。
例えば週明けの月曜日、幼稚園で「昨日の日曜日、お祖母ちゃんとお祖父ちゃんとディズニーランドに行ったんだ」とお友達が言うと「私も行ったよ」と嘘をつく子どもがいます。
でも、お友達の発言に触発されて昔、行ったことを思い出して一緒になって言っているだけです。
今も鮮明に蘇るくらいによほど楽しい思いをしたのでしょう。「また、行きたい」の気持ちが高まって、正確には事実ではないことを言わせているだけです。
また、実際ないことを言う場合もあります。子どもは夢と現実の境目がなく妄想が膨らんで「私ケーキを上手に作れるのよ」とか「玩具買ってもらったんだ」さも叶ったように言う場合があります。
「そんな嘘をつくんじゃないの!」と大人が目くじら立てず「そう、上手に作れるんだあ」と話を合わせてやりましょう。
先生に強く注意されたとか、お友達に強い剣幕で怒鳴られたなどの恐怖を感じたときにこんな風に言うことがあります。
「ママ、先生が僕の頭を叩いて叱った」 「○○君が僕のことを棒で叩いた」など。
ママに味方になってほしい、辛い気持ちを分かってほしいと尾ひれはひれ付けてオーバーな表現をしているだけです。
こんなとき親が子どもの言葉を真に受けて「先生、うちの子の頭を叩いたんですって!」とか、ママ友の家に乗り込んで「○○君が棒で叩いたんです!」と言ってしまうと、事実ではないことが後でわかったときに親が恥ずかしい思いをすることになります。
「それだけ嫌な思いをしたんだな」と受け止め、どういう状況だったか冷静に相手方に聞くなど情報収集をしましょう。
幼稚園でおやつを食べているのに「今日は食べなかった」と言う子ども 手の中に見たこともないキャラクターのブローチ。問い詰めると「○○ちゃんにもらったんだ」と見え透いた嘘をつく子ども。これらについては「嘘をついてはいけない」としっかりと躾をしなくてはなりません。
子どもは「家でもおやつをどうしても食べたい」「ブローチが欲しくてたまらなかった、でも黙って持って帰ってきたことがママにばれると叱られる」ので嘘をついています。
そんな時はそれだけの願望があることを理解してやった上で「おやつをほしいんだったら『幼稚園でも食べたけどもう一回食べたい』と正直にママに言いなさい」「ブローチが欲しいからって黙って取ってくることは絶対にやってはならないことだよ。『もらった』と嘘をつくことは更に良くないことなんだよ」と真剣に話しをしましょう。
嘘をつかれたからとカーッと頭に血が上って「嘘をつくんじゃない!」と頭ごなしに叱ってはなりません。じっくりと話をするのです。
夏休みになると宿題をお金を払って宿題代行業者の便利屋さんに頼む親もいると聞きます。先生にばれないように適度に間違えたり、子どもの文字に似せた文字を代行業者は書くと言います。親自ら子どもと一緒になって担任を騙していることです。教育上、良くありませんね。
こんな時は宿題をしないで先生に叱られればいいんです。この経験を通して「翌年からは計画的に宿題をこなしていこう」と子どもなりに反省するでしょう。
又、どうしてもできないのならば、保護者が学校の先生に正直に「塾の宿題もあって学校の宿題まで手がまわりませんでした」と打ち明けましょう。
いかがでしたか。 “嘘も方便”という言葉がある通り、嘘をつかないで生きていくことなんかできません。 ついてよい嘘、そうではない嘘を見抜いて賢い対応をしましょうね。