子どもは成長するにつれて叱る場面も、響く言葉も少しずつ変わってきます。ぜひ、年齢ごとの変化に目を向けてみてください。
伝え方を間違えると命にかかわります。最前の向き合い方を心がけましょう。
3歳くらい
イスからジャンプして床に落ち、泣いています。
⇒まず、痛くて怖い気持ちを受け止めましょう。 抱っこして、子どもの痛い気持ち、怖かった気持ちに共感し、ケガがなかったか調べましょう。その後で、「高いところに登ったり、飛び下りたりすると危ないのよ。ケガをすると危ないからやめましょうね」などと、何が危険なのか、言ってきかせてください。
7歳ぐらい
自転車でスピードを出しすぎて危うく交通事故にあいそうでした。
⇒危ない理由をしっかり伝えましょう。 7歳くらいになると物事に対する理解力は高くなっています。まず、何が、どうして危険なのか、きちんと言ってきかせましょう。その後で、子どもがふだん通る道を一緒にまわって「ここでは一時停止」「スピードはこのくらい」などと、具体的に教えてください。
10歳くらい
交通量の多い通りで故意に信号無視をしているのを見つけました。
⇒指示するのではなく、自分で考えさせましょう。 真剣に、静かに「万一のことがあったらお母さん(お父さん)はどんな気持ちになるかよく考えてみて」と、ふだんとは違った態度や声のトーンで話すといいでしょう。深く考えないでやってしまった行為が、どんな結果につながってしまうか、考えさせ、反省させるのです。自分で考えることによって、しっかり理解できてくるものです。
正しくしつけなければ、という気持ちは立派ですが、もう少し子どもの目線に合わせてみてください。
3歳くらい
電車が満員で居心地が悪く、声をあげて泣いてしまいました。
⇒怖くて不安な気持ちに共感しましょう。 耳元で、優しく話しかけ、子どものいやな気持ちに共感しましょう。小さい子は、人が大勢いる、その上、ぎゅうぎゅうの環境を怖がるもの。「もうすぐ降りるから、ちょっとだけがまんしてね」などと話しかけ、安心させましょう。大声で叱れば、ますます泣き続けてしまいます。
7歳くらい
電車の中で、叫んで走り回ってまわりに迷惑をかけています。
⇒あなたの本気を子どもに伝えましょう。 肩や腕に手をかけて静かに注意し、また騒いだら、本当に、次の駅で降りるのです。時間もかかりますし予定が狂うかもしれません。でもそれだけの価値があるのです。降りたホームでは、子どもと同じ目線で、しっかり話しかける。子どもに、あなたの本気が伝わります。
10歳くらい
電車の車内で周囲に気を遣わずに大きな声で話し始めた 。
⇒何が悪かったのかを自分で気づかせましょう。 おだやかに話しかけて、子ども自身に、まわりの状況に気づかせましょう。ポイントは声をかけながらも自分で「何が悪かったのか」そして「どうすればいいのか」と考えさせることです。こうすることで、話す内容、声の大きさ、まわりの雰囲気など、話をする場合にも、TPOがあることを少しずつ理解できるようになっていきます。
いくつになっても変わらない、叱るときのルール ・大声でどなっても、子どもの心には届かない。近寄って、わかりやすく、簡潔に、理由を話す。 ・イヤな子、ダメな子など、人格を傷つける叱り方はしない。叱るのは行為だけ。 ・他の子と比べて叱らない。マイナスの自己イメージをもたせてしまわないために。