「かけっこで一番になって偉いね」
「部屋を散らかさないでお利口だね」
「ご飯をこぼさないで食べて偉いね」
何気なく口に出している言葉。子どもを叱ってばかりいないで、きちんとできた時は褒めている素晴らしいお母さんです。でももっと上級者を目指してみませんか。
「~~したから偉い」と言うのは結果だけを見ていること。決して悪くはありませんが更によい魔法の言葉があります。
「かけっこで一番になってよかったね。練習を一生懸命していたからね」
「部屋が散らかっていないから掃除機が楽にかけられてママ助かる~」
「ご飯をこぼさないで食べたから今日は床の雑巾がけをしなくて済むわ」
と言ってみてはいかがでしょうか。ポイントは子どもの行動により皆が助かったと感謝するのです。家族の一員としての自覚も出来ます。自分がした行動で人の役に立った経験は子どもを自立させます。
また「かけっこで一番になって偉いね」だとひねくれた見方をすると「二番三番だとダメ、転んでビリになったら最悪」と取ることも出来ます。結果が悪くても努力していたことを認めてやればいいのです。
そして同じ注意をするのも頭ごなしに命令指示をするのではなく、子どもに考えさせて自ら行動させることもポイントです。
食卓の上におもちゃ出して遊んでいます。「そんなもの出して食べてはダメでしょ!」では単なる指示命令。“お母さんが怒鳴るから、怖いから”言うことを聞くだけです。親の目がなければ同じようなことをします。
こう言えばよいのです。
ママ 「食事中はご飯を食べようね。だったら電車はどうすればいい?」
子ども「しまっておく!」
ママ 「そうだね。よく気が付いたね。じゃあ食事が終わるまで電車はあっちの棚、車庫にしまっておこうね!」
宿題をやっている時、ポケットに何気なく手を突っ込みました、すると輪ゴムが出てきました。ずっと手元の輪ゴムを触って遊んでいます。
「何を触っているの、輪ゴムなんて触っていたら気が散るでしょ!ママが預かっておきます!」
これでは自分で考えさせていないので、またポケットに手を突っ込んでみたりします。
すると粘土が出てきたりします。ずっと粘土をコネコネ。いたちごっこ。お母さんが目を光らせていないと何をしでかすかわかりません。
「今は輪ゴムを触る時間かな?」
と子どもに問いかけると自分でしまいます。粘土が手に触れても出すことはないでしょう。
自分で気が付いて自分で決めたことは守るもの。小学校のクラスのルールでも学級委員会の中で子ども達で決めさせるとお互い注意しあい守るようになります。
勝手に友達のおもちゃを触る子どもに
「なんでお友達のおもちゃを取るの。返しなさい!」
貸してやらない子どもに
「貸してあげなさい!いじわるする子は悪い子よ!」
砂場でのおもちゃの取りあいは、社会性を育てる絶好のチャンスですから放っておきましょう。
“しつけのなっていない親と思われたくない”“ママ友との関係をよくしたい”という思いから介入したくなりますが、ここは子どもの自立のためにグッと堪えましょう。過干渉は子どもの成長を妨げるだけです。
妹が泣いています。
両者の意見も聞かずに泣いている側が被害者、泣かせた方が加害者と決めつけて
「なんで妹を泣かすの!お兄ちゃんでしょ。男の子でしょ。謝りなさい」
とつい叱ってしまいます。現場を見ていないお母さん、最初手を出したのは妹かもしれないのに決めつけています。上の子は内心、不満・・・兄弟喧嘩は自立するチャンス!直ぐに仲裁に入らないことです。
子どもが小学校に登校しました。すると床にノートが・・・慌てて学校に届けるお母さん、ノートがなくて書けないという痛い思いをさせることも時には必要。
過保護に届けなければ子どもなりに
「先生、ノートを忘れてしまったので代わりになる紙を貸してください」
としっかり先生に伝えられるようになります。
“可愛い子には旅をさせよ”です。危険を回避してやろうと先回り先回りしないことが自立への近道です。是非、トライしてみてくださいね!