日本の大学はレベルが高くなればなるほど、大学入試で難しい問題が出題され、そのために大量の知識を頭に詰め込まねばなりません。
しかも、英語などの専門科目を除けば、高校で学習した内容は大学ではほとんど使う機会がありません。
しかし、そこでしっかり勉強したことが就職活動の時に生かすことができるとしたら、それは一石二鳥ではないでしょうか。実際には受験勉強で学習した内容は不況の強い味方でもある「公務員試験」に非常に有利に働きます。
というわけで、今回は受験勉強を生かした公務員試験についてお話ししていきます。高校生の皆さんはもちろん、中学生の皆さんにも参考になると思います。
公務員はご存じのように、「国や地方自治体の職員」ですが、これは試験区分によってそれぞれ難易度が異なります。
例えば「エリート」と呼ばれる「国家Ⅰ種」などは、東大や京大から多くの合格者を輩出するくらい難易度の高い試験です。それに対して県庁や市役所などは、国家Ⅰ・Ⅱ種に比べると努力が報われやすい試験と言えるかもしれません。
公務員試験で出題される試験には大きく分けて2つあります。1つは「教養試験」、もう1つは「専門試験」です。
例えば、行政職という最もメジャーな試験の場合、専門試験は憲法などになります。教養試験はどの区分であっても、ほぼ全員が受験することになります。
その内容としては、「高校で学習するほぼ全ての科目」です。英語・現代文・古文・日本史・世界史・地理・芸術・物理・化学・地学・生物・数学というように、文系だろうが理系だろうが、全ての科目を勉強しなければなりません。
それでいて、各科目で出題されるのはせいぜい1~3問なので、そのわずかな出題のために公務員試験受験者は日々熱心に勉強しなければなりません。
しかし大学受験である程度の科目だけでも知識を付けておけば、それが公務員試験にそのまま生かすことができます。就職活動を一般企業に対して行うことの大変さに比べたらまだ良いのではないでしょうか?
公務員試験は大学4年で受験するものですが、勉強を始める時期としては早いに越したことはありません。
大学受験でせっかく覚えた知識を大学3年まで持ちこしてしまうと、あっという間に知識が頭から抜けてしまうため、また一から覚え直さねばなりません。それに対して大学1年から勉強を始めておけば、まだ記憶がしっかりしたうちに勉強を進められるので、非常にスムーズに進みます。
また、公務員試験の教養試験には「数的処理」「判断推理」という非常に厄介な中学入試のような問題が何問も出題されます。それの対策に費やす時間を考えると、やはりそれ以外の一般教養に勉強時間を割いている暇はありませんよね。もちろん専門試験の勉強もありますから、なるべく勉強量は少なくしたいものですね。
公務員試験はとにかく勉強をたくさんしなければなりません。そういう意味では非常に苦しい時間が続いてきます。その間、もちろん大学の勉強もしなければならないので、かなり大変な思いをすると思います。
しかし、そこでした苦労は後々の公務員試験にしっかり生かされてきます。ひいては、一生の生活の安定にもかかわってきますから、4年間を自由に遊び回っているのであれば、そのための勉強をして大学4年になった時に後悔しないような過ごし方をしてみるのも悪くないのではないでしょうか。
4年間しっかり我慢できた者が卒業後に喜びを得られるのです。