中学生であれ、高校生であれ、受験生にとっての「夏」は、とても大きな存在となります。その使い方によっては、秋以降の成績が大きく伸びたり低下したりします。(もちろん全く変わらないこともあるでしょう)
では、受験生として夏休みの40日をどのように活用すれば、受験を乗り越える大きな力となるのでしょうか。今回は「受験生の夏」をテーマにお話ししていきましょう。
夏休みは部活が引退を迎える時期ということで、受験生にとっては大きな分岐点となります。それまでは勉強時間よりも部活時間の方が多く、「みんなで目標を達成する」ことに向けて練習に励んでいた人が多いのではないでしょうか。その大きなモチベーションが、部活を引退した瞬間に勉強に向けられるかどうかが、最初のポイントです。
そのままのモチベーションで「よ~し、次は自分の目標を達成するぞ!」というように仕向けることができる人はとても大きく成長する傾向にあります。
一般に、部活をやってると人より勉強が遅れると思う人もいるようですが、上手くモチベーションを切り替えられる人は、むしろエネルギーあふれる人ですので、勉強に対して他の人よりも優位に立てる人が多いように見えます。逆に「燃え尽き症候群」のような状態になってしまうタイプの人は注意が必要です。
部活に熱中するあまり、それが引退となった瞬間に、今までの熱意がすべて冷めてしまい、勉強も何も手に付かなくなってしまいます。そういう自覚のある人は、まずは「そういう自分」をしっかり認識して、意識的に勉強のことを考えるようにしましょう。
ダメな自分をしっかり認識することで、「そうならないようにするために、こうしよう」という策を講じることができます。
また、部活をやっていない人は「自分は部活をやっていないから部活をやっている人よりも勉強をたくさんしている」という自負を捨てましょう。本当にそこまでやれているのであれば良いのですが、実際には思った以上に勉強は進んでいない人の方が圧倒的に多いのです。
ですから、こちらに関しても上記と同じように、「自分の勉強量はこれでいいのだろうか?」というように自問自答しながら、常に上を見続けてください。
さて、意識改革が終わった所で、次にいよいよ勉強の計画の立て方に入ります。
よく学校の先生などが「勉強は計画をしっかり立ててやりましょう」というように漠然としたアドバイスをすることが多いのですが、「計画的に」とはどういうやり方なのかまでは、あまり説明してくれないようです。
ここでオススメするのは「短期目標と長期目標」という視点です。「夏はたくさん勉強するぞ」、これは目標でも何でもありません。目標というのは具体的に何を、いつまでにやるかの明確な設定なのです。
短期目標であれば「今日は、これとこれとこれを、ここまでやって、これが出来るようになることを目標にしよう」という1日単位の目標に加えて、「このワークはこの1週間で確実に終わらせておく。そしてこの単語帳は今週中に○○個は確実に終わらせる」といった1日単位~1週間単位の目標を立てましょう。
できることなら、それをこまめに紙に書いて、達成できたら消していくと進度が明確になって分かりやすくなります。そして、「この2週間で、この単語帳を2周する。この問題集を3周する」など、中長期的目標もしっかり立てておくことで、もし途中でペースが落ちていたらすぐに調整できますし、実際にはもっとこなせそうなら、上方修正するのも良いでしょう。
ただ、できればしてほしくないことは、「下方修正」です。人間はどうしても楽な方向に流されやすいので、「ここまでは終わらなさそうだ。じゃあ、ここまでにしよう」とついつい自分に甘くなってしまいます。しかし、それを一度やってしまうと、もうどんどん歯止めが効かなくなってしまうので、あくまで自分を厳しく律するようにしましょう。
夏は本当に苦しい時期となります。しかし、その40日をしっかり戦い抜いた人が、受験本番でも勝てる人だということは忘れないでください。楽をしようとしている人には勝利はやってきません。
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