算数・数学の計算で一番大切なのは、「計算の意味」を理解すること。「かけ算九九」を丸暗記して計算の反復練習をしても、それはほとんど意味のない「作業」です。
つぎに大切なのが計算の「正確さ」です。だから、「暗算」で速く計算するよりも、きちんと「筆算」を書いて、あとで見直ししてもわかるように計算の課程を残しておくことはとても大切です。
しかし、たとえば、「548÷17」というわり算を実際に筆算で計算してみてください。
この1つの計算をするためには、
17×3=51
↓
54-51=3
↓
17×2=34
↓
38-34=4
というように、4つの計算が必要なことがわかります。
「引き算」はこの「わり算」の筆算の中で計算するので問題ありませんが、この中には2つの「かけ算」があります。つまり、すべての計算を筆算に頼ってしまうと、1つの「わり算」をするのに3つの筆算を書かなければならなくなります。
実際、そのように計算して混乱している子を時々見かけます。
計算するのが「メンドくさい!」というだけで算数・数学嫌いになってほしくないので、そのような子には授業の最初の10分間で「暗算トレーニング」を行います。
誤解がないように繰り返しますが、正確な計算を指導する上で「筆算」させることはとても大切なことです。しかし、「1ケタをかける」あるいは、「1ケタでわる」暗算力は、筆算で計算するためにも必要なのです。