西洋では「反復は諸学の母」といって暗誦を大事にしています。古代ギリシャでは「ホメロス」が子ども達の必修でした。
又、フランスの小学校ではラ・フォンテーヌの「寓話」を暗誦させています。「自らの国の古典を識らずして、叡智ある二十一世紀の国際人たり得ない」です。
このような言葉の感性を育てるには「意味の解釈はせず、声に出して音読する」という「素読」という方法をとります。
厖大な量の知識に触れていながら、子どもの頭の中では知識という形をとらず、単なる感覚的な音として、リズムとして無意識的に刻みつけられていきます。
「読書、百篇、意、自ずから通ず」で後になり、意味が分かってくるものです。
解釈や鑑賞をせず、古典をそっくりそのまま、暗誦すればよいのです。
人生経験の短い子ども達に古典の持つ深い意味など分かる筈もなく、また、時代背景、その時代の人々の生活についてしっかりとした知識がなければ、たとえ、意味の説明をしても正しい理解は出来ません。
早急に意味を求めようとはせず、言葉そのものを繰り返し声に出して読むことにより、深く心の奥底に根を下ろし言葉の土台となります。
最近ではこの古典の素読が見直されて書店には幼児・小学校低学年用にたくさんの古典の教材が出ています。
斎藤孝さんの“声に出して読みたい日本語(CD付)”も大ヒットし先生が監修したNHKの“日本語で遊ぼう”という幼児番組で俳句・諺を楽しく学習するコーナーも設けられています。
世田谷区では公立の小学校で国語とは別に“日本語”という授業があり古典を学ぶ機会があります。このように古典に幼児期から親しむ効果は見直されています。
古典は幼児には意味なし、難しい”という固定観念は捨てて是非チャレンジしてみてくださいね。