[しつけ全般]知っておきたい「従順に親の言うことをきくいい子」に潜む危険性

知っておきたい「従順に親の言うことをきくいい子」に潜む危険性

2015/07/13

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生真面目で、きちんと子育てしてようとする親ほど、いい子を求めがちです。子どもが従順に親の言うことを聞き、期待通りにしてくれると満足し、逆に意に反するようなことをすると、イライラして、きつく叱ってしまうこともあるでしょう。

何でも素直に従ってくれるわが子に、「うちの子は、なんていい子なんだろう」と思っていると、実は、そこには落とし穴が潜んでいるかもしれないのです。

ケース1:「素直ないい子」が突然不登校、そして暴力もふるうように・・・

きっちりした性格のK子さんは、家庭をいつも整えて、子どもの世話も手抜きなくやってきました。長女のYちゃんはとても素直な子で、小学校3年までは何の問題もなかったといいます。

ところが4年生の途中から、学校を休むようになったのです。実はYちゃんは、外でも「いい子」で、人に認められたい、好かれたいという気持ちが強く、些細な失敗や級友からの揶揄(やゆ)がきっかけで学校に行けなくなってしまったのです。

しかし、真面目なKさんは、Yちゃんが学校に行けないことを受け入れられず、無理やり行かせようとしたため、Yちゃんは余計に自信をなくしただけでなく、二人の関係もぎくしゃくしました。

まるで別人のように反抗的になって、母親に暴力までふるうようになったのです。

不登校になる子には、「いい子」だった子が少なくありません。親は表面的な従順さだけ見て、「うちの子は大丈夫」と思っていますが、それは、ただ本音が言えていないだけかもしれません。そのため、何の前触れもなく、突然不登校になったり、非行に走ってしまうのです。

「いい子」は、周囲の期待に応えたい、認められたいという気持ちが強いので、些細な失敗でも、大きくつまずいてしまいます。

ケース2:中学に入ると遅刻が増え、部活もズル休みするように・・・

Mさんは、熱心な真面目なお母さんです。息子のU君は、小さい頃、落ち着きのないところがあり、Mさんは、人の迷惑になるようなことはしてはいけないと、口を酸っぱくして教えました。

スポーツを始めたことが良かったのか、小学校の間は問題なく過ごせました。中学受験をし、有名校に合格することもできたのです。

ただ、U君は、自分の意思を、あまり言わない子どもでした。親が、こうしてみてはどうかと提案して、それに従うのが、いつものやり方でした。

ところが、U君は中学に入ってから、急に成績が落ちたのです。進学校に入学したため、レベルが高く、ついていけなくなったのです。好きだったはずの部活も、ずる休みをするようになりました。何事も投げやりで、遅刻も増えました。注意すると大暴れし、物を壊すようになりました。Mさんはショックを受け、うつになってしまいました。


上の2つの事例は少し極端な例だったのかもしれません。でも実は、熱心な親ほど、子どもが将来困らないように先々のことを考え、レールを敷こうとします。

しかし、そのレールは、子どもが心から望み、手に入れたものではありません。背伸びさせ、身の丈以上の頑張りを強いたばかりに行き詰まってしまうことも多いのです。親の期待に応えようとする「いい子」ほど、そうした悲劇が起きやすいのです。

お母さんは、急に反抗的になったように受け止めて慌てますが、実際には、ずっと「いい子」を強いられてきた結果なのです。「いい子」には縛られたため、大学生や大人になってから不適応を起こすこともあります。親に支配されていたことに気づいて、親を恨むようになることも少なくありません。

ではどうすればよいのでしょうか。

1つは子どもの安心感を脅かさないことです。子どもを責めたり脅かすような言い方をせず、両親が言い争ったり、一方が他方の親を責めたりする場面を見せないようにしましょう。

もう1つは、子どもを主役にすることです。親が何を望んでいるかではなく、本人が何を感じ、何を求めているかを大事にすることです。また関わりを求めてきたときには、必ず応えてあげてください。

求めているのに無視したり、上の空の返事をしたりしていると、やがて子どもは求めなくなります。子どもをパートナーとして尊重することが大事なのです。