[カラダのこと]子どもの運動神経を良くしたい!年齢別の身に付けたい運動能力

子どもの運動神経を良くしたい!年齢別の身に付けたい運動能力

2015/07/29

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子供の運動神経の良し悪しは親からの遺伝と言われますが、それが全てではありません。運動に触れられる環境を意識して整えてあげれば大丈夫です。

特別難しい運動をする必要もなければ、両親が運動神経が良くなくてもOKなのですよ。

運動することの効果や、いつ、どのような運動をさせればお子さんの運動神経が良くなるのか、運動苦手ママやパパでもできる簡単な運動方法を年齢別にご紹介いたします。

[小学校1年生までの間にしっかり運動させる]

子供の運動機能は神経の発達とともに進化します。神経線維に髄鞘というさやができることで脳とつながります。

ハイハイから歩けるようになってもまだ下肢の神経全てにさやができたわけではなく、全てが完成するのが幼稚園年長から小学校1年生くらいまでと言われています。

この時期を迎えればどの子も敏捷性は高まりますが、運動神経が良くなるかは幼い時から小学校1年生までの神経が発達する間に運動をしてきたかどうかで伸び方に差が出ます。

[0~5歳ごろ、乳幼児期に身に着けるべき運動能力]

歩けるようになる前は寝返りを打つなどの反射神経、座る、歩くといった基礎的な運動を、安定して歩けるようになってからは走る、跳ぶ、跳ねる、回転する、よじ登る、逆さまになる、投げる、ぶら下がるなど基本的な全身運動を身につけさせることが大切です。

乳幼児期は脇腹、足の裏、背中を刺激する運動を心がけましょう。 また、乳幼児期に、飛び跳ねる、よじ登る、などを経験させないと、小学生になっても高い所が怖くてジャングルジムに登れない子供になってしまいます。

<お勧めのトレーニング法0~1歳>
・脇腹ひねりストレッチ
子供をあお向けに寝かせます。ママの伸ばした足の上にのせるとやりやすいです。子供の両腕を軽く持ち上げて伸ばし、右腕を左側に動かし、体の側面を伸ばしたら戻る。 子供の左腕を右側に動かし、側面を伸ばしたら戻る。これをゆっくり5、6回繰り返します。

最後に子供の体や足をさすってマッサージ。スキンシップしながら上に上がった血流を下に戻します。 (体の可動範囲が広がり、体幹を鍛えられます。) ・ハイハイ 左右が不安定な動きになっていても、ずりばいでも良いのでハイハイさせましょう。 (股関節や背骨、骨盤の発達によく、腹筋や背筋が鍛えられます。)

<お勧めのトレーニング法1歳過ぎ~2歳>
・凸凹道歩き
歩くことができるようになったら、マットや布団の下に踏んでもいたくないもの、たとえば丸めた新聞紙や小さいクッションなどを置いて、道が高低できるようにします。

その不安定な凸凹道の上を歩かせます。 (平衡感覚が鍛えられ、偏平足防止になります。) ・マットの山登り 布団やマットで山を作ります。できれば1mくらい高さがあると良いです。

4つんばいで登ったら降りるときは体を横にしてごろんごろんとこ転がる。 (回転感覚が身に付きます。体全体の筋力が鍛えられます。)

<お勧めのトレーニング法2歳前後>
・ママやパパのひざで背中ブリッジ
ママの伸ばした足の上に子供をあお向けに乗せます。子供の腰がママの膝にくるようにします。子供の足はママの太ももの上にそろえて乗せ、押さえます。ママの膝をゆっくり立てていくと子供の背中がエビぞりになります。少し静止。

ゆっくり足を戻してから、子供の上半身をゆっくり起こします。(ブリッジ運動は背中や腰の柔軟性を養います。上半身をゆっくり起こすことで腹筋もきたえられます。)

・おさるの親子運動
ママやパパが四つん這いになって、おなかに子供をしがみつけて歩きます。 (腕力や筋力が鍛えられ、ぶら下がる力が身に付きます。)

<お勧めのトレーニング法3歳~4歳ごろ>
・両足ジャンプとグーパージャンプ
両足ジャンプのやり方は、ママやパパの足をまっすぐ延ばします。片方だけでも両足でもOK。 その足の上を子供の足をそろえたまま、飛びこえます。

最初は子供の両足がそろわなくても大丈夫ですし、ママやパパなど大人が手を引いてあげてもよいです。グーパージャンプのやり方は、 ママやパパの両足をまっすぐ伸ばします。ママやパパの足を軽く開きます。その間に子供を立たせます。

ママやパパの足を閉じると同時に子供の足は開いてママやパパの足を挟みます。ママやパパの足が開くと同時に子供の足はママやパパの両足の中に入れます。 グーパーして開閉している感じです。 (脚力やバランス感覚を養います。着地にひざのばねを使うことを覚えると、今後のより高度な運動に発展することができます。全身運動としてもとっても効果的です。)

・ボール投げ、キャッチボール
ボールを片手や両手を投げます。取る練習もしましょう。 (筋や腱の柔軟性を高め、体全体の動きをコントロールする力が養われます。筋力や握力が鍛えられます。)

[5歳前後~小学校低学年で身に着けるべき運動能力]

動きを組み合わせる、リズムに合わせて動くなどいろいろな運動を上手にできることを目指しましょう。

<お勧めのトレーニング法小学校低学年>
・ボール回転取り
大きめのマットまたは畳の部屋などで行います。ボールを上に高く投げ、ボールが落ちてくる前に1回転床でくるりと回転します。回転後はすぐ起き上がり、落ちてきたボールを受け取ります。

・鬼ごっこ
多様な体の動かし方が修得でき、運動を調整する力やバランス感覚など身に付きます。

・縄跳び
足の筋力や体力が付き、体力もUpします。

・ダンス
他人の動きをみて真似をする。ダンサーの画像を見ながら真似をするのでOK。(自己制御力やコミュニケーション力、集中力、基礎体力、表現力が身に付きます。)


最近は子供の運動能力が低下していることが問題になっています。 転んでも手が出せないなど体の動かし方がわからない子供が増えています。けがにもつながります。

原因は子供の遊び場が奪われているからです。公園では声がうるさいからと思いっきり遊ぶことができなかったり、事故が起きるからと遊具がなくなっていく傾向にあります。

遊びを通じて楽しみながら基本的な動作や運動が身に付くのですが、遊び場が奪われた結果、体力が下がっただけでなく、子供たちのコミュニケーション能力や思考や判断力も低下していくのです。 体を動かすと体力だけでなく脳にも心にも良い刺激を与えます。

8歳~12歳はゴールデンエイジと言って成人の90%まで神経が成長発達する時期で、新しい動きを見よう見まねですぐに覚えられる時期です。

素晴らしいこのゴールデンエイジを迎えるために、その前の時期であるプレゴールデンエイジの時期である5歳~8歳前までに様々な動きを体験し基本的な動きを習得しておくとよいですね。

そして基本的な動きができるともっと複雑な動きやルールの中での動きなどもできるようになりますから、子供の体力がつくとともに、人間関係や将来社会に出るにあたって必要なコミュニケーション能力や思考、判断能力も磨かれます。

ご紹介した運動は簡単ですからぜひ試してみてください。 遊びながら行うと楽しくでき、効果が倍増しますよ!

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2024/03/18 更新