[株式投資]ESG投資の歴史とESGの投資手法について

ESG投資の歴史とESGの投資手法について

2016/01/06

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今回は、「2.ESGの歴史とは?」「3.ESGの投資手法とは?」について見ていきます。
 

2.ESGの歴史とは?

次に大手シンクタンクのレポートを参考にESG投資の歴史について見ていきます。
 
「SRI(社会的責任投資)からESG投資への変遷」

SRI(社会的責任投資)は宗教上の倫理的動機から始まったと言われています。米国で1920年代、キリスト教会の資金を運用する際に、たばこ、アルコール、ギャンブルなど教義から許容が難しい業種・銘柄を投資対象からはずしたことがSRIの発端とされます。(宗教的倫理観をベース:倫理投資)
 

次に社会運動としてのSRIが広がり、株主行動としてあらわれてきます。1960年代以降、米国では公民権運動や反アパルトヘイト運動・反戦運動などの社会運動が盛り上がり、それが株主行動につながっています。
 
例えば、1969年にベトナム戦争で使われたナパーム弾を製造しているダウケミカルに対して、ナパーム弾の製造中止を求める株主提案が出されました。また、1971年にアパルトヘイト政策を行っている南アフリカ共和国から撤退を求める株主提案が提出されるケースも見受けられました。
 

続いて、環境経営が浸透し、ESG要因へ注目が集まりました。1990年代に宗教や倫理から始まったSRIに対し、企業評価の点からESG要因に注目する考え方が広まりました。

1980年代までは、環境保全対策は企業にとって余分なコストであり、企業価値を低下させるとの認識が強かったのですが、1996年の環境マネジメントシステムISO14000シリーズの発行に伴い、環境マネジメントシステムを導入する企業が急増し、企業の環境対策は効率性・生産性向上につながり、企業価値を向上させるとの認識が高まりました。
 

次に社会に与える影響(インパクト)に着目した投資が注目されるようになりました。2008年のリーマンショック以降、金融レバレッジによる収益拡大指向が金融危機をもたらしたとの反省から投資家のリターンだけでなく、社会的な責任を重視した投資についても注目されるようになりました。
 
例えば、世銀など公的な金融機関がその資金使途を温暖化対策や途上国の貧困撲滅など社会的課題解決に特定して発行する債券(例えばワクチン債など)などが挙げられます。

3.ESGの投資手法とは?

続いてESGの投資手法について整理します。ここではESGの投資手法を大きく7つに分類します。
 
①ESGの観点で問題のある企業を投資対象から除外する「ネガティブスクリーニング」

②ESG評価の高い企業を投資対象に組み入れ、投資比率を高めたりする「ポジティブスクリーニング」

③投資先企業との対話や議決権行使などを通じて、企業行動に影響を与える「エンゲージメント」

④途上国の支援や自然エネルギーへの投資、貧困や環境などの問題に対し、地域開発プロジェクトや、小規模・零細企業に対する投資、マイクロファイナンスと呼ばれる小口融資などで、より直接的な効果をもたらそうとする「インパクト投資」

などがあります。
 
その他にも、

⑤国内外の法令や規範に照らして、基準を満たしていない銘柄をポートフォリオから除外する「規範に基づくスクリーニング」

⑥従来の財務分析、企業評価にESGファクターを明示的に組み込む「インテグレーション」

⑦サステナビリティに関連の深いテーマや銘柄への投資を行う(例えば、クリーンエネルギー、グリーンテクノロジーなど)「テーマ投資」

などもあります。
 
次回は、「4.ESGのメリットとは?」から見ていきます。
 
*上記のコメントは筆者の個人的な見解であり、筆者が所属する会社または組織の見解ではございません。また個別銘柄の推奨、商品の投資勧誘を目的としたものではありませんのでご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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