[株式投資]【その3】MBA流、ケースメソッドから学ぶ「ポジティブ投資学」

【その3】MBA流、ケースメソッドから学ぶ「ポジティブ投資学」

2014/03/25

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A君の株式投資物語』

A君は証券会社で個人投資家向けの営業の仕事をしています。まだ、会社では若手に位置していますが、新人の頃から積極的な飛び込み訪問や一日100~200件の電話をして毎日顧客開拓に励んでいました。

夜討ち朝駆け、雨の日も風の日も、土日、祝日など休日の日も、地道に地道に開拓することで200人を超える顧客を作ることが出来ました。

A君は「緻密な業績予想に基づくファンダメンタルズ分析と長期投資を重視し、知的で洗練された投資を目指すアメリカのMBA(経営学修士)ホルダーの先輩Bさん」や「短期投資が得意で、特にテクニカル分析と需給分析を重視し、機敏に動く先輩Cさん」、「人情深く投資家に絶大な人気のある穏やかで年配の女性先輩Dさん」といった優秀な先輩に囲まれて仕事をしています。「お金持ちで感情の起伏の激しい社長婦人Hさん」や「強気一辺倒の投資家Eさん」、「シニカル(冷笑的)な投資家Iさん」などと一緒にA君はマーケットと対峙しています。

A君はこれから大きな株価の上昇と大きな株価の下落を経験することになります。A君はそれらに対して何を思い、どうしていくのでしょうか?
 

上昇トレンド前夜 ~ボックス相場 テクニカル分析優位の時代~

現在、株式市場には不透明感が漂っており、国際優良株は緩やかな下落基調で、全体としては概ねボックス相場(一定の価格の幅で上下し推移すること)となっています。

市場参加者が限られ、出来高が薄く、短期の材料株や小型株への投資、または大型株のわずかな値幅取り売買がマーケットで主流を占めていました。

テクニカル分析が得意な先輩Cさんは、国際優良株が緩やかな下落基調で、全体として概ねボックス相場に入っていたことから、チャートやRSI(相対力指数)などテクニカル分析を駆使し、ボックス圏の下で買って上で売ることや、アナリストが直近、買い推奨に変更した小型株を俊敏に買うといった投資手法で短期の利益を積み重ねていました。

テクニカル分析に自信を持って顧客に売買提案をし、利益を積み重ねていく先輩のCさんを見て、A君はCさんに質問しました。

A君「テクニカル分析っていろいろなツールがあるみたいなんですが、この前、Cさんがお客さんにRSIによると株価は割安だとか、割高だとか言って説明していましたが、例えば、そのRSIというテクニカル分析ツールを使ってどう売買を判断するんですか?」
 
先輩Cさん「RSIは、相対力指数と言われ、過去の値動きに対し、今の株価が売られ過ぎなのか、買われ過ぎなのかを数値化したテクニカル分析ツールなんだ。0%~100%であらわされ、0%に近づくほど株価が売られ過ぎの状況にあることを示し、逆に 100に接近するにつれ、株価は買われ過ぎとみなされるんだ。

一般的に、買われすぎの水準は、RSIが75%~80%以上、売られすぎの水準は、20%~25%以下と言われているから、それ以下、それ以上になったら、買い、売り判断で顧客に提案してるよ。分かりやすくて結構、うまくいってるよ。」
 
A君は、先輩Cさんが重視しているテクニカル分析は、数字的に判断基準が分かりやすく、自分でも容易にできそうだと考え、この手法でやってみようと思いました。
 
マーケットや株価の情報を瞬時に集め、RSIなどのテクニカル分析による売買判断のもと、顧客の投資家に薦めていきました。A君も先輩Cさん同様、利益を積み重ね、投資家の信頼を得ていきました。

ファンダメンタルズ重視の先輩Bさんは「業績予想をせず、売買を繰り返すのは旧来の株屋の発想だ」として見向きもしません。「ボックス相場での短期的な値幅の売買に一喜一憂してどうするの?」と黙々と、業績予想に基づいて銘柄候補を絞り込むためのデータ分析作業を行なっています。

先輩のCさんは「机で考えても何も生まれないよ。マーケットでの実践売買、実績がすべてだよ」と分析作業を行う先輩Bさんに聞こえるようにA君に話しかけています。

側を通りかかった年配女性の先輩Dさんは穏やかな口調で「あらあらけんかしてもしょうがないじゃない。良好な人間関係が一番よ。」とみんなに語りかけます。先輩Dさんの声を聞くと、穏やかな気持ちになり、なんだか癒されるA君でした。