公立の中学に通っている生徒のほとんどにとって初めての受験となるのが高校受験です。
ただ、どの時期に何をしていれば良いのか、いつ志望校を決定すればよいのか、ということをわかっていない生徒は意外に多いのです。今回はこのあたりについて述べていきます。
まず志望校を決める上で大きな基準は「学校の内申点」と「模試の偏差値」です。このうち学校の内申点に関しては公立高校を目指す場合は必須なもので、点数の計算は志望する高校によって式が変わるため、不安ならば塾の講師や学校の教師に計算してもらうほうが安全かもしれません。
この際に重要になるのは「音楽・美術・体育・技術家庭」です。たいていの場合5教科よりも配点が大きく、得意な生徒と苦手な生徒ではかなり大きな差となります。これと「大手模試の偏差値」とを組み合わせて進路指導を行うのが一般的です。
気をつけておくのは「夏前の模試は受ける必要はない」ということです。この時期はまだ模試を受けていない生徒も多く、この時期から受けている層は高い意識と高い学力を持った生徒が多いです。
よって偏差値や順位は低くなりがちなのです。また、まだクラブ活動を引退していない生徒がほとんどで夏期講習などによる大きな変化前なため数値があてにならないのです。
模試を受けるのであれば、できれば9月。10月と11月は絶対に受けるべきです。12月は特別回で希望する高校で受験できたり募集要項や願書、過去問などをもらえることがあるため受けてもよいでしょう。せいぜいこの4回受ければ十分です。
実際に私立高校に塾の講師などが事前相談を行う際に学校側から要求されるのは「中学校での実力テストの点数」「10月と11月の模試結果」です。中堅私立高校くらいまでであれば、この事前相談で合否(に近い)結果をもらうこともあります。これは私立高校側と塾の関係性や塾講師の力量による場合もあります。
11月くらいになると志望校の提出を学校や塾が求めるのはこのためです。出願は1月や2月だからといって提出しなかったり志望校を変えるのは私立高校に関してはしないほうがよいです。「事前相談ができなくなる」からです。これは圧倒的に不利になるため、避けたほうがよいです。
逆に公立高校に関しても学校や塾は決めるよう指示があるが、これは「無視してよい」です。
公立高校は事前相談がないため、早く決定するメリットがないからです。特に秋くらいまで本格的に勉強してこなかった生徒などが秋から冬にかけて急激な伸びを見せることがあります。それを見極めてからでよいのです。
また、ここ数年は公立高校も学区編成、前期後期の日程変動などが続いているため、それまでのデータがあてにならないことがあります。
「特に上の兄弟がいるから大体わかっている」といった考え方は危険です。常に新しい情報を学校や塾などで確認し、競争率や必要な学力、内申点を押さえながら適切な時期に志望校の決定をしていくのが良いでしょう。
【あわせて読みたい】
>>受験生の夏休みの勉強計画やテクニック【中学3年生・高校3年生】