[社会保障]雇用関係助成金における中小企業事業主の定義について

雇用関係助成金における中小企業事業主の定義について

2015/02/25

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雇用関係助成金における中小企業事業主の定義について

雇用保険からの助成金を受給することができるのは、中小企業に限定されている場合が非常に多くなっています。ですから、雇用保険の適用事業所になってはいるものの、中小企業に該当しない場合には、その他の要件を満たしても、助成金を受けられない場合があります。

そこで、雇用関係助成金における中小企業事業主(以下、単に中小企業事業主という。)の意味について把握しておく必要があります。雇用関係助成金における中小企業は、その企業が属する業種により、規模が異なります。

飲食店の含む小売業の場合

例えば、飲食店を含む小売業の場合、資本金の額又は出資金の額が5,000万円以下であるか、又は、常時雇用する労働者の数が50人以下であれば、中小企業事業主に該当します。

ですから、飲食店を含む小売業の場合には、資本金や出資金が8,000万円でも、常時雇用する労働者が45人であれば、中小企業事業主となります。また、常時雇用する労働者が80人であっても、資本金や出資金が3,000万円ならば、中小企業事業主に該当します。

サービス業の場合

次に、サービス業に関しては、資本金の額又は出資金が5,000万円以下、又は、常時雇用する労働者の数が100人以下であれば、中小企業事業主に該当します。サービス業の場合には、常時使用する労働者の数が100人までは中小企業事業主として認められます。

卸売業の場合

同じく、卸売業に関しては、資本金の額又は出資金の額が1億円以下、又は、常時雇用する労働者の数が100人以下であれば、中小企業事業主となります。資本金や出資金の額が1億円までが中小企業事業主の範囲となります。

その他の業種の場合

最後に、飲食店を含む小売業、サービス業、卸売業に該当しないその他の業種に関しては、資本金の額又は出資金の額が3億円以下、又は、常時雇用する労働者が300人以下で、中小企業事業主に該当します。たいていの中小企業事業主の方は、この区分に該当するものと考えられます。

中小企業労働環境向上助成金における中小企業事業主の定義

なお、雇用関係の助成金には中小企業労働環境向上助成金というものがあります。これは、評価処遇制度、研修制度、健康づくり制度などの雇用管理制度を導入する中小企業事業主(健康・環境・農林業分野の事業主に限る)に対して、必要な資金を助成金として支給するものです。

この中小企業労働環境助成金には、団体助成コースと個別中小企業助成コースがあります。団体助成コースは、中小企業事業主の団体が受給できる助成金です。その団体助成コースにおいて中小企業事業主の団体の構成員となる中小企業事業主は、一般の中小企業事業主の定義とは異なります。

この定義は、ゴム製品製造業に関し、資本金・出資金の金額が3億以下又は常時雇用する労働者の数が900人以下、ソフトウェア業又は情報処理サービス業が資本金・出資金の金額が3億円以下又は常時雇用する労働者が300人以下、旅館業が資本金・出資金の金額が5,000万円以下又は常時雇用する労働者の数が200人以下となっています。

中小企業障害者多数雇用施設設置助成金における中小企業事業主の定義

また、中小企業障害者多数雇用施設設置助成金というものがありますが、この助成金に関する中小企業事業主の定義は、業種・資本金・出資金の金額に関わらず、常時雇用する労働者の数が300人以下であれば、中小企業事業主に該当します。

中小企業事業主の定義には注意することが大切

雇用関係の助成金には、申請ができる者を中小企業事業主に限定している助成金が多数あります。しかも、助成金の種類に応じて中小企業事業主の定義が異なります。よって、助成金を申請する際には、申請しようとする会社が、申請しようとする助成金の中小企業の定義に該当するのかどうかを、よく確認する必要があります。

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