[社会保障]【退職後の健康保険】任意被保険者となる任意継続手続きについて

【退職後の健康保険】任意被保険者となる任意継続手続きについて

2015/02/16

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会社を退職した場合には医療保険の手続きが必要です

会社に在籍している方の場合、医療保険は、全国健康保険協会が運営する健康保険に加入されている方が非常に多いと思います。しかし、会社を退職すると、この健康保険も被保険者資格を喪失します。

会社を退職された方が、退職した日の翌日が属する月に新しい会社に再就職をした場合には、前の会社での健康保険の被保険者期間と、新しい会社での健康保険の被保険者期間は連続しますので、新たにご自分で医療保険の手続きを行う必要はありません。

しかし、退職した日の翌日が属する月に再就職しなかった場合で、何も医療保険の手続きをしない場合には、医療保険の未加入期間が発生します。ですから、会社を退職してすぐに再就職しない場合には、必ず何らかの医療保険の手続きをしなくてはなりません。

退職後の医療保険の3つの方法

会社を退職してすぐに再就職しない方の医療保険の手続きには、住所地の市町村役場が運営する国民健康保険に加入する方法と、配偶者等が加入する健康保険等の被扶養者になる方法、そして、退職した会社で加入していた健康保険の任意継続被保険者となる方法の3種類の方法があります。

国民健康保険に加入する方法は、最もポピュラーな方法です。また、配偶者や父母、子などが健康保険の被保険者であり、会社を退職した本人の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者の方は180万円未満)で、その健康保険の被保険者に扶養されている関係がある方は、健康保険の被扶養者になる方法があります。

この健康保険の被扶養者になる方法は、保険料を支払わなくても健康保険の給付を受けることができますので、大変お得な制度ですが、家族に健康保険の被保険者がおり、しかも、その被保険者に扶養されているなどの要件を満たさないとこの制度は利用できないので、だれでも利用できる制度というわけではありません。

任意被保険者となる手続きについて

もう一つ、健康保険の任意継続被保険者になるという方法があります。この制度は、退職のために健康保険の被保険者でなくなった者が、退職の日から20日以内に申し出ることにより、退職の日の翌日から最長で2年間、退職時に加入していた健康保険に加入できるという制度です。

なお、この制度を利用するためには、退職の日の前日までに継続して2ヶ月以上健康保険の被保険者である必要があります。ですから、会社に就職して健康保険に加入したものの、1ヶ月も勤めないうちに退職したような場合には、退職時にこの任意継続被保険者の制度を利用することはできません。

任意継続被保険者になった場合の保険料について

この任意継続被保険者となった場合の保険料は、退職時の標準報酬月額と28万円を比較して低い方に、健康保険料率(東京都、平成26年9月以降適用分、40歳未満対象で9.97%です。)を乗じた金額になります。

なお、会社在籍時は健康保険料の半分を会社が負担します。しかし、任意継続被保険者の場合には、保険料の全額を本人が負担しますから、同じ標準報酬月額でも任意継続被保険者の保険料支払額が多くなります。

国民健康保険と任意継続被保険者との比較の方法について

また、国民健康保険に加入するか、この健康保険の任意継続被保険者となるかを迷った場合には、最初に住所地の市町村役場へ行って国民健康保険料の試算をしてもらいます。次に、協会けんぽの窓口などで、任意継続被保険者になった場合の保険料の試算をしてもらい、両者を比較して安い方に加入するという方法があります。

ただし、任意継続被保険者になる場合の申し込みは、退職の翌日から起算して20日以内ですから、この期間内に手続きを済ます必要があります。一般的には、退職時の標準報酬月額が28万円を大きく上回るような場合には、任意継続被保険者の手続きを利用した方が有利になるといわれています。

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