[キッチン・水まわり]IHクッキングヒーターとガスコンロの比較

IHクッキングヒーターとガスコンロの比較

2015/02/05

12,065VIEWS

キッチンスペシャリストとして、今まで多くのお客様のキッチンに関わってきましたが、「IHクッキングヒーター(以下:IH)とガスコンロ(以下:ガス)は、どちらが良いのか?」という問題は必ず訪れます。

「どうぞ、お構いなく。お掃除が楽なIHに決めていますから!」という皆さんも、本当にIHの長所と短所を理解されていますか?

今回は、永遠のテーマである「IHとガスの比較」についてお話し致します(^-^)


1)IHは、本当にお掃除の面でガスよりも優れているのか?

ガスと比較して、IHは凹凸がない分、お掃除の面で優れているように思えますが、ガスでもガラストップのものやバーナー部分に汚れが入りにくい構造になっているものも出ていて、お掃除の面では「互角」だと著者は考えます。 それよりも、調理中の吹きこぼれがあった時、ガスの場合は火よりも下に汁が落ちるので、調理後に拭けばよいですが、IHの場合は熱源と鍋の間に汁が入り込んでしまい、吹きこぼれ汁が鍋下で熱しられ焦げ付きや変色などの懸念も。そう考えると、IHだから楽してキレイを保てる・・・なんてことは絶対にないですよね。 IHもガスも、メンテナンスなくしては「キレイはない!」と、頭の片隅に置いておいて頂きたいと思います。


2)IHは、本当に安全面でガスよりも優れているのか?

ガスは、炎を扱うので袖にもらい火など、火傷や火事の危険因子が多いのは、ご存じの通りかもしれません。では、IHは全く安全かというと「そうではない」のが現状です。 IHからは炎がでませんが、高温で調理されていれば熱で自然発火することがあります。そして、一般的に「IHは天板が熱くならない」と言われていますが、調理中は鍋の熱がIHの天板に伝わって鍋の周りまで高温になり、うっかり触ってしまうと火傷をする可能性も。 よく、お子さんがいるお宅はIHが安全だから良いと思われがちですが、火が見えないがために安易に触って火傷をしてしまう場合も考えられます。火の熱さや怖さを教えておく・・・場合によっては、ガスの方が良いかもしれませんね。 バリアフリー・リフォームなどでは、ガスからIHへ変更されるケースが多いですが、こちらも採用には注意が必要です。


3)人体への影響は?

調理の際、ガスからは「一酸化炭素」が発生し室内の空気を汚染します。室内の換気を行わないと一酸化炭素中毒となってたいへん危険です。 一方、IHからは「強い電磁波」が発生し発がん性があると言われており、WHO、IARCでも電磁波2B格付けがされています。電磁波を浴びる時間などにも関係しますが、人体への影響は少なからずあるようです。


4)IHは、空気がキレイって本当?

IHからは燃焼ガスが発生しないため、空気が汚れにくいのは事実です。しかし、調理をすれば水蒸気や煙、油などで室内の空気は汚れます。 実は、IHは上昇気流が弱いため、上部の換気扇で吸い取る前に汚染物質が室内に拡散してしまいます。IHの水蒸気などの残留量はガスの2倍以上といわれており、室内の結露やカビ、汚れの原因となる恐れもあります。


5)IHは、本当に油が飛び散らないのか?

IHはガスと違い、上昇気流が発生しないので湯気などが上に上がり難いのは先にお話しした通りです。では、油の飛び跳ねは?というと、熱しられた油が跳ねる現象なので、IHもガスも条件は同じです。 この油の飛び跳ね汚れを防止する対策をとれるので、IHが一歩だけ優位といえますね。それは、火を使わないので、揚げ物調理の際に新聞紙などで鍋を覆い油の跳ねをカットするという方法。ただし、高温になると自然発火するので、火を使わないからといって油断は禁物ですよ。


6)使用できるお鍋の種類!

IHは、使用できる鍋の種類が限られており、今まで使っていた土鍋などが使えないというケースは、皆さんがご存知の通りです。 最近では、オールメタル対応のIHが多く出回っていたり、IH用の鍋もリーズナブルに手に入るようになりましたので、従来よりも導入し易くなったかと思います。 しかし、特出すべきは「IH用鍋の重さ」です。鍋自体を発熱させるために鍋底に鉄板が入っています。実際使ってみたら想像以上に鍋が重くてたいへん・・・なんて後悔をしないように、事前に重さの確認が必要かもしれませんよ。

住宅総合ランキング

2024/04/19 更新